短編小説みんなの答え:2

思いは届く(超長い)

 転校生がやってきた。といっても、中学生になる年、引っ越してきた子がいた。 とっても美人で、かわいくて、こっちに振り向くと、髪がふわぁってなって、元気で、いい子。 私とは、正反対。  今日も春日部(かすかべ)さんは人気者だ。春日部さんの、 「おはよう!」 っていう言葉だけで、「よし。今日も頑張ろう」っていう気分になる。 春日部さんは、クラスだけじゃなく、先輩達も、先生達にも人気だった。 可愛いからなのかな。それじゃあ私はどうやっても追いつけない。 「…さん。佐藤さん。佐藤さん!」 「はっはい!」「はい!」 やばい。授業中だった。あれ?私の他に返事をした声が聞こえたような…。 教室中の視線が集まっている場所ー春日部さんだ。 「あれ?なんで返事しちゃったんだろ?おかしいなぁ?」 周りが「あはははっ」という雰囲気に包まれた。  あの出来事で、私と春日部楓(かえで)は仲良くなった。 どこに行っても、私たちは一緒だった。  ある日、翔太(しょうた)君がこっちにやってきた。 翔太君は私は食学生の頃から好きな男の子だ。 だけど、そんな思いはすぐに打ち破れた。 「楓さん!僕と、付き合ってください!!」 やっぱり、可愛い子が好きなんだ。 私なんかは、誰も見向きもしない。ただの楓のおまけ。 「ごめんなさい。私、他に好きな人がいるの。」 楓は断った。好きな人って、誰なんだろう。  私の家は母子家庭だ。お父さんは私が生まれてすぐに交通事故で亡くなった。 ショックでお母さんは仕事にも手がつかなくなって、私の家は貧乏。だから中学校を卒業したら、高校には行かずにすぐに働くつもりだ。少しでも、楽にしてあげたい。 「今日、私の家に来ない?」 楓から誘われた。 「いくいく!」 帰っても、どうせ暇だし、友達の家に呼ばれたのは初めてだったから、ワクワクした気持ちで楓の家に行った。  楓の家は豪邸だった。まるで自分が小さくなって、お城の下に立っているよう。 「さ、入って入って!」 楓の部屋はとても広い。ベットはふかふか。トイレとお風呂もあるし、大きなクローゼットにはたくさんの服があった。 私たちはお化粧遊びをして過ごした。 楓は私を可愛くしてくれて、「可愛い」を連発した。 「あっ!お菓子をとってくるね。ちょっとまってて。」 「うん。」 私は自分を鏡で見ながら待った。 だけど、楓は戻ってこなかった。大丈夫かな? もしかしたら、お腹が痛くて途中で倒れているのかも。この家、大きいけど全然人がいないから、発見されてないかも。 私は部屋を出て、楓を探しに歩いた。  銀の甲冑の前を通り過ぎ、赤いカーぺットの階段を降り、大きな肖像画の側で立ち止まった。 「ここ、どこだろう。」 何も考えずに歩いてきてしまった。私は、来た道らしい所を歩いて帰ったが、部屋には戻れなかった。というか、どれが楓の部屋なのか、ドアがみんな同じだから全然わからない。もう通り過ぎているのかも知れないし、道を間違えているのかも知れない。 「どうしよう…」 その時、声が聞こえた。 いけないけど、ここがどこかなのかわかるかも知れない。わからなくても、聞くことができる。 私は声のするドアに耳を押し付けた。 「あんたはいつまでこの家に居座っているつもり?あんたはね、いらないんだよ。」 「ごめんなさい。」 知らない女の人の声と、楓の声が聞こえた。ちょっとだけドアを開けてみると、楓が泣いていた。 「私の子は生まれるまであんたがこの家にいたら、追い出すからね。ほんと、ブサイクで何もできない子。さっさと掃除をしておしまい。」 「…はい。」 私はこれ以上いるのは良くないと思い、ドアから離れた。そして、そっと家を出た。  次の日も、私はずっとモヤモヤしていた。あの女の人は誰だったんだろう。わからないけど、すっごく嫌な人っていうのはわかった。 「みう!どうして昨日帰っちゃったの?」 楓が元気に声をかけてきた。 「うん…。」 「どうしたの?」 私はこれ以上抑えきれないと思い、楓に告白した。 「昨日、楓と女の人が話している所を、見ちゃったの。」 「そう…。今日話そうと思ってたんだけどね、そういう知りかただったのは辛いな。」 「ごめん。」 「ううん、いいの。あの女の人は私の義母なの。前の姓は佐藤。お母様は、病気で去年死んじゃった。それからお父様はあの女と再婚して、私とは一度も会ってないの。」 「そうだったんだ…。」 「私はね、辛かった。でも、「可哀想な子」って言われるのはもっと辛い。バカみたいでしょ。」 「ううん!全然!わかるよ、その気持ち。だって私はお父さんがいなくて、よく言われるもん。」 「そっか。よかった。私が転校してきた時、みうは全然私のことを褒めたりしなかった。好きだよ。友達としてだけど。」 「え!そうなの?うれしい!ありがとう!」

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