校則違反の星空吹奏楽部
――あぁ、もう、桜も散っちゃったな 俺・髙井星優(たかいせゆう)は中学一年生。桜の木を見上げ、学校の校門をくぐりながらそう考えた。 入学式に違う小学校の友達・部活結成会。初めてで慣れないことばっかりだけれど、毎日がとても楽しい。 俺は吹奏楽部に入った。きらきら輝くトランペットに憧れて、トランペット担当になった。 私・秋月紺(あきづきこん)は、今日も部活のために音楽室を訪れている。母親が吹奏楽部で、私も母親に憧れて吹奏楽部に入った。担当楽器も、母親と同じフルート。優しい先輩に、毎日丁寧に教えてもらっている。 「さぁ、今日はここから合わせますよ。まずはトランペットとフルートから」 顧問の先生にそう言われ、私はフルートを構える。 ――俺はトランペットを口の前に持っていく。 「いいですよ、今日はここまで。お疲れ様でした。楽器を片付け次第帰っていいですからね」 私はフルートを拭き磨き、丁寧に手入れする。 ――俺は専用の布でトランペットを磨く。 夢中になって磨いてるうちに、残っているのは二人だけになってしまっていた。 「あ・・・髙井さん、まだ帰ってなかったの」 「秋月さんこそ、もう俺一人だと思ってた」 気まずい沈黙が落ち、私は立ち上がった。 「私、もう帰るね。鍵、お願いしていい?」 彼女が立ち上がると、音楽室の窓が背景になって、美しい星空が彼女と重なる。 「ちょっと待てよ。さすがに俺一人は心細いし。気付いてるだろ、とっくに完全下校時刻すぎてるって」 「・・・うん、校則違反だね。なんか特別感ある」 彼女の微笑みに一瞬見惚れ、俺は慌てて首を振る。なんか特別感あるな、確かに。 「秋月さん。俺、秋月さんが好きかも」 「・・・髙井さんって意外に可愛いね」 お互い、頬が赤くなる。浮かれてる――俺・私。なんてこと口走ってんだろ。 「好きかもって何よ。・・・好き、だよ」 「ごめん・・・好き、秋月さん」 どちらからともなく優しく抱きしめ合って、夜空が輝いた。 「・・・秋月さんって、星空が似合うね」 作者のいとあま。です。辛口OKですので、ぜひぜひ感想をください! 考察なんかでもいいですよー