私の何処が間違っている
私が小学三年生のとき、母親と弟が殺された。 第一発見者は私だった。 学校から家(アパート)へ帰っているときだった。 いつもなら幼い弟の泣き声が聞こえているはずなのに。 今日は恐ろしいほど静かだった。 ドアを開けると、部屋が妙に薄暗い気がした。 嫌な悪寒がする。 慌ててリビングへ走っていく。 もう、遅かった。 私の眼に映ったのは、紅にまみれた母親と固まった弟だった。 時が止まった。 考えたくなかった。 “死”という言葉を。 信じたくなかった。 家族の“死”を。 心臓の鼓動と時計の音が重なる。 気を失いそうになるのを、吐きそうになるのを、一生懸命に抑えながら。 一歩一歩母親に近づいていく。 そっと母親の肌に触ると、人間とは思えない冷たさだった。 弟も同じだった。 何も考えられなかった。 気づいたら、外に出ていた。 怖くて、辛くて、寂しくて、泣いた… 二十歳になった今も、強烈な悲しさが押し寄せてくる事がある。 殺し屋として、私は犯人を探す。 今日も。ずっと。