短編小説みんなの答え:1

「またね」

「またね」この言葉を最後に使ったのっていつだっけ?そう思う度にあの日の光景が思い浮かぶ。私ーー花園友梨奈は、俗に言う殺し屋。この世界では皆んなが狙い狙われ、殺し殺される。またねなんて使う人の方が少ない。もちろん私もそうだ。小学校四年生の時に親を殺され、殺しを始めてから、使ってない。大切な人を失いたくなくて友達も、彼氏も作らない。おかげで高校では、見事にぼっちでもこれでいいんだ。私は、殺し屋なんだから。だけどそんな私にも、最近話す機会が出来た人がいる。鷹岡龍斗君って言って違う学校の子。龍斗くんとは、この前任務帰りに公園で出会った。今もその龍斗くんに会いに来て話している途中。そんな時龍斗くんが何かを決心した様子で口を開いた。 「ねえ花園さんってさ殺し屋だよね?」 そう言われた途端全身に寒気が走ったどうして彼がそのことを知ってるの 「花園さん家に帰る時絶対にまたねって言わないからそれが気になって自分なりに調べてたんだ。そしたら花園さんの事知ってる人に出会って聞いたら殺し屋だってでも確証が持てなくて聞いたごめんねこんな話花園さんがそんな事…」 「…わない」 「え」 「ち、ちがわない」 そう言った私の声は情けなく震えていた 「でもそれを聞いてどうするの?」 聞きたいことは色々とあっただけど先ずは純粋な疑問を口に出した。 「僕ね花園さんの事が好きなんだ。」 そう言われた瞬間体中の血液が沸騰する様に暑くなってそれと同時に胸がギュウっと何かに掴まれたみたいになった。正直なところ私も龍斗くんの事が好きだった。でも殺し屋っていう事を知られたくなかったから言わなかった。だけどまさか龍斗くんも同じだったなんて 「僕は、花園さんが殺し屋でも構わないそれ以上に花園さんの事が好きだから」 そう言われて私は、俯いていた顔を上げたそして 「私も龍斗君の事が好きだから私が殺し屋でもいいなら付き合いたい」 「ホントに?」 「う、うん」 もう大事なものを作らないそう決めていた私が、あれから初めて大切な物を作った瞬間だった 「やったじ、じゃあこれからは、恋人としてよろしくってもう帰らなきゃ」 そう言って立ち上がった彼を私は、無意識に引き止めていた 「何?」 「あ、あの龍斗君こちらこそよろしく『またね』」 「うんまたね」 そうして私は、久し振りにこの言葉を使った。

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