君のいない夏が来ても‥
「今年の夏祭り行く?」 「行くに決まってるでしょ~」 「だよねー」 あと一週間で夏休みが始まるという今日、俺は友達と話していた。夏が来るのはうれしい。夏休みもあるし、楽しいこともいっぱいあるからだ。だけど、俺にとって悲しいこともある。それはおととしのこと。 「はると、大事な話があるんだ」 「なに?」 「実は妹ができたんだ」 「本当!?」 「本当だよ」 「やったー!」 それまで12年間一人っ子として生きてきた俺にとってはこれ以上ない出来事だった。それから俺は親と一緒に妹を迎えるための準備をして楽しみに待っていた。あの日が来るまでは。 その日は妹が産まれるまで後1週間位というときだった。妹に会うのが楽しみだった俺はその日、病院についていった。エコーを見ていると先生たちの様子がおかしかった。なんだろうと思っていると先生がやって来て「心臓が止まっています」と言った。その後現実を受け止めきれないまま先生の話を聞いて帰宅した。 2日後、今日は夏祭り。本当なら俺も行く予定だったが妹が産まれると言うことで行かなかった。産まれてきた妹は生きて産まれて赤ちゃんとさほど代わりのない体で息をしているのでないかと思った。親と話し合って「夏初」という名前をつけた。 2年後‥ 今日は夏祭り。そして夏初の誕生日と命日だ。本当なら夏初と一緒に来たかった夏祭り。友達と来る元気はなかったが、夏初の分も楽しもう。夏初がこの場にいたらどう思っただろう。 「夏初~、これが花火だよ~」 誰も居ない会場の端で夏初に話しかける。これから先も夏が来たら悲しくなることがあるかもしれない。だけど夏初と一緒に楽しいことをいっぱいしよう。夏初は俺の家族だ。また来年も一緒に夏祭りに来て花火を見よう。心の中で夏初と約束した。 (・ω・)あとがき(°―°) 最後まで読んでくれてありがとうございます。自分も生きて産まれてこれなかった兄姉が2人います。少しでも流産、死産に理解のある人が増えたらいいなぁ(  ̄ー ̄)ノ