いつも通り(ほんの少しグロい)
この作品は血が出てきます。苦手な方はご注意を… 登場人物 佐藤 正愛(さとう せいあ) 鈴木 与笑(すずき あたえ) 与笑「正愛~帰りにコンビニ行きたいんだけど…」 正愛「またー?…まぁいいけど…」 いつも通りの声。いつも通りのお願い。普段と変わらない光景だった。 与笑「着いた!おかし買お~」 正愛「ころばないでよー?」 与笑はいつも無邪気で明るい。まるで私がお姉ちゃんで、与笑が妹みたい。守りたいな、と思う。 …けど、守ってもらったのは私のほう。 数年前… 正愛「またか…」 そうつぶやく。靴箱にはそれはそれはたくさんのメッセージとプレゼントが置いてあった。 正愛「バカ、死ね、消えろ、学校くんな…あとはいつも通りの虫の死体か…」 今日はいつもよりはマシだな、と思いつつも、目はじんわりと濡れていた。やっぱり自分を否定されるのって心にくるな… 視線を感じる。また誰かが様子を見ているのか。涙を引っ込める。 正愛「……ん?」 いつもの人じゃない。新メンバーかとも思ったが、その人はこちらを大きな目で見つめていた。目線の先は靴箱。 正愛の心の声(めんどくさいなぁ、あまり他の人を巻き込みたくない…) 与笑「ねぇ…大丈夫?」 正愛「あー、うん。この前ちょっとおふざけで友達とね。だから全然平気。」 与笑「…じゃあ、なんで泣いてるの?」 正愛「…え?」 言われないと気づかなかった。頬には涙が伝っている。そこで私は初めて、誰かに助けを求めた。 今に戻る… 与笑「ねぇ…大丈夫?」 正愛「あー、うん。ぼーっとしてただけ!」 与笑「なんだぁ。それならよかった!じゃあ帰ろ!」 こくりとうなずいて、歩き始めた。 与笑「そういえば、最近ここで交通事故多発してるの知ってる?煽り運転とかする人がいるんだってさー」 正愛「へぇー。知らなかった。怖いね…」 少しゾクッとした。これが嫌な予感っていうやつか? 与笑「黒い大きい〇〇会社の車で、いつも同じルートに行ってるから、ただ遊んでるだけだと思うけど…。」 正愛「めっちゃ人生無駄にしてるじゃん…」 与笑「だよn」 ードチャ 正愛「……………は、…?」 震えがおさまらない。 そうだ、きっと与笑が落ちてたケチャップで転んじゃったんだ。そんなことで自分を落ち着かせようとする。 正愛「そんなこと、あるはずない。だって、さっき、まで、はいつも通り、で、そんなことあるはずが…」 救急車の音。心臓が脈打つ音。人が叫ぶ声。 ……いつも通りじゃない…初めてみる光景だった。 いつも通りがなくなってしまった。与笑は病院に運ばれていったけど、結局死んでしまった。声が出ない。涙が溢れるばかりで。いつも通りがなくなるって、こんなに寂しいことだったなんて。こんなに苦しいものだったなんて。 正愛「あんたは誰からも死ねなんて言われてないでしょ…。」 悲しみに呑まれながらも、きっと与笑がいない生活もいつかはいつも通りになるんだろう、なんて思ってしまう。けど、そんなこと考えたってなんにもならない。これこそ、無駄な時間だ。 お墓の前で手を合わせて言う。 「いつかまた、いつも通りね。」 あとがき あんまり挑戦したことがない物語も書いてみました。当たり前って、なくなるとすごく悲しいですよね。中学になってから、2個したの幼馴染と遊ぶことが減ってもうずっと会ってないんですけど、ふいに、「あぁ、会いたいなぁ。」なんてなることがあります。みなさんもいつも通りだったことに、もうちょっと目を向けてみてはどうでしょうか。それではまたキズなんで…