絡まって、濁って、沈んで
朝陽は誰に対しても平等だ。 だって、容赦無く昇ってくるから。 髪が絡まるのって嫌だよなー。 私も絡まりたくないよ。でも切れないんだよね。頼ってきたものだからさ。切っちゃったら、あたし生きてらんないのかもしれない。 切りたいんだよね、弱いから無理だけどさ。 目の前で語っているのは金髪ロングの女子。 目の前で柵を乗り越えたのも、その子。 濁るって如何いうことかわかる? 絵の具使うときって、バケツを使うでしょ? そのバケツで筆を洗っていたら、何色も重なって、ドブみたいな汚い色が出来るよね。 人も濁っちゃうんだよ。汚い色に。 複雑な眼をしたのは三つ編みの女子。 複雑なパズルみたいになったのも、その子。 沈むってさ、難しくない? 何回も沈んでるけど浮きあがっちゃうんだ。 如何すればいいかなぁ。逃げたいから沈んでるのに、わざわざ浮かばせてきてさ。 ありがた迷惑なんだよ、ホント。 沈んだ顔をしたのはポニーテールの女子。 沈んだまま帰らなかったのも、その子。 みんな沈んでいたくて、みんな浮かんで。 みんな絡まりたく無くて、みんな絡まって。 みんな濁っていて、みんな汚くて。 それを否定するのは、気がつかない人達。 それを否定するのは、見捨てていく人達。 『○□町で三人の中学生が自殺したそうよ。物騒よね。可哀想だわ。』