つりあった天秤が夕日で照らされて
ずっとずっと比べられてきた。 頭がいい君と馬鹿な私。 運動ができる君と運動音痴な私。 優しい君と不器用な私。 笑顔の君と泣いてる私。 「このは、すごいよねぇーいっつも1番じゃんー」 このはの友達がそう言った後、その子はちらっと私の方を向いた。 また、比べられたんだろうな。 私はぐっと52番のテストを握りしめた。 私、ことはとこのはは双子。 顔も声も似ているけど、性格は違う。 明るくて友達の多いこのははいつもクラスの中心にいた。 私はこのはと真逆。友達も少ないし、なるべく目立たないように生きている。 みんなみんな、生まれた日が同じで、顔が似ているだけで私たち2人を天秤にかける。 そしていつもその天秤はこのはの方へ傾き、私を鼻で笑った後このはを褒める。 「このははできるのに」「このはができるんだから」 この言葉を何回言われただろう。 私が必死になって頑張ろうとその努力が報われたことなんてなかった。 その日は帰った後部屋にこもった。 リビングからお母さんがこのはを褒める声が聞こえた。 「本当にこのははすごいねぇーあの子ももう少し頑張ってくれるといいんだけど」 もう慣れたよ。慣れたけど。 何回聞いても傷つく。 何回聞いても泣いてしまう。 気がつくと私は家を飛び出していた。 特に行くあてもなく、しょうがないから公園のシーソーに腰かけた。 座る相手がいないとシーソーは私の方へ傾く。 でもいつも反対側にはいつもこのはがいて、いつもこのはの方に傾いてしまう。 涙が溢れた。 辛い、しんどい。 誰も私の気持ちなんて分かってくれな… 「ごめんね」 目の前にこのはがいた。 頭をさすってくれた。 泣いてるところなんて見られたくなかったのに。 このはがシーソーの反対側に座る。 長い沈黙の後、このはは言った。 「ことはの気持ちは私にはわからない。だってことはが話してくれないんだもん。 辛いって思うなら、苦しいって思うなら私と半分こしようよ。 それは多分、双子だからこそできることなんだよ。双子のいいところなんだよ」 最初から諦めていた。このはには何言っても分かってくれないと思ってた。 「私たちが言えない環境を作ってたんだよね。相談したくてもできなかったんだよね。 本当にごめん」 やっぱりこのはは優しくて、そういうところが悔しくて、でも憧れて。 私たち双子は楽しいことは2倍に辛いことは半分こしてく。 今までやらなかった分。 私たちの乗っているシーソーはつりあっていった。 私たちの価値は違うようで同じだった。 つりあったシーソーが夕日が照らしていく。 今までも、これからも。