天使と死神。(ホラーじゃないヨ)
「ねぇ君、栗栖ありさと巳鷹朱鷺(とき)知ってる?栗栖ありさはこの学園の生徒会長!親は超巨大企業の社長で、可愛くて、超優しいんだ!巳鷹朱鷺は、副会長。理事長の息子で、神秘的なイケメンなの!この学園で会長と付き合えるのは副会長だけなんじゃないかなぁ?」 「お頭!コイツであってますか?」 「あぁ。そいつで間違いねぇ。いいか、絶対に殺すなよ?大事な大事な人質だから。」 栗栖ありさ。高2。現在父さんの会社の政敵に誘拐されかけてます。イェーイ(棒)あーあ。もうこれで今月何回目?早く帰って生徒会の仕事したいんだけど。私が案外落ち着いていることが気に障ったのか政敵Aが突進してきた。 「遅い。」 それをひらりと躱し、背後に回って足をはらった。案外雑魚い。他の方々とも戯れていると、背後に気配を感じた。回し蹴りの勢いでお腹を蹴り付けたが、何故か足に手応えがない。 ……避けられた。急いで振り返ると、政敵たちはなぜか全員やられていた。奥にいるのは生徒会副会長、巳鷹朱鷺だった。 「な……ぜ。」 私の意識はそこで途切れた。 目が覚めると地下牢らしきところにいた。いくら驚いていたとはいえ気が緩んでいた。反省だ。 「やぁ。起きたんだ。」 後ろを振り返ると、朱鷺がいた。初恋の人と二人きりなんてラッキー……ってんなわけあるか! 「あら、ここはどこかしら。」 「今更取り繕ったって遅いよ。後、なんでそんなに強いの?てっきり深層の令嬢だと思ってたんだけど。」 「昔から父さんの政敵に狙われることが多かったの。気がついたらこうなってた。それよりなんであんたも強いの?」 「んーっとねぇ。血で染まりし朱雀って言ったらわかるかな?」 血で染まりし朱雀。それは、ヤンキー抗争区域を一人で一掃したという伝説のヤンキー。 「もしかして?」「もしかしなくても。」 「ところで、脱出したいんだけど。何か策はある?」 「もうドアは開錠済みだけどどうする?」 仕事が早い。音を立てないよう細心の注意を払って外に出る。10分ほど走ると、運悪く誰かと鉢合わせしてしまった。 「おい!逃げてるぞ!」 そいつの声が思ったより響いたのか敵がやってくる。 「ねぇ。俺、君のこと好きなんだけど。」 「それ、今言うこと!?」 「なんとなく?で?答えは?」 「好きだけど、なんか文句ある?」 「っしゃ!んじゃ、背中お願いね。」 「ん。」 私達は同時に駆け出した。