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本の題名 月の影 影の海
著者名 小野不由美
出版社 新潮文庫
あらすじ 八方美人と嗤され、友達から浮いた存在の陽子の生活は、学校にケイキという男が訪ねてきたことにより一変する。突然襲いかかってきた魔物は一月ほど前から見ていた妖魔に追いかけられる夢と同じような形相していた。襲撃を掻い潜り、陽子は異世界へ辿り着く。なぜここに連れてこられたのか、ケイキは誰で自分は何をすればいいのか。教えてくれる者はいない。蓬莱──日本へ帰る術はない。ケイキはどこかへ消えた。右も左も分からぬ中、人に会えば捕らえられ、夜は妖魔に襲われる。頼れるのは己とケイキに託された一振りの剣のみ。信ずる人に何度も裏切られ、荒んでいく陽子。食べ物は無くなり、毎晩ほとんど眠らず妖魔と戦って過ごす。陽子を誑かす蒼猿まで現れ、疑惑の思いを彼女に抱かせる。陽子は何者なのか、ケイキはどこへいるのか。それが判明したとき、物語は一気に終末へと加速する。否、それは終末ではなく陽子の新しい人生の幕開けだった。
感想 僕は小4の時から上橋菜穂子さんというファンタジー小説家の方の本を読んでいるのですが、祖母に是非こちらも読んでほしいと言われて読み始めました(因みに上橋さんの本を勧めてくれたのも祖母です)。解説で堺三保さんが言っていた通り、このシリーズの主題は「試練に直面した時に人はどう生きるべきか」です。緩やかな川を流れていたと思ったら(状況は全く緩やかでは無いんですけど笑)、突然滝が唸りをあげて眼前に待ち構えていたような壮大さ。1巻読んだら本当に止まらなくなります。まず、世界がしっかりと完璧に完成されているんですね。この国の長さの単位は歩で、人は木から生まれる。どこにどんな都市があって、文化は…という様に。最初はよく分からないのに進められ、陽子に感情混入…いやぁ、個人的には蒼猿が凄く良かった。あれがいたから物語に深みが増したような…と言っても今は分からないと思うので是非読んでみることをおすすめします。
おススメ度 ★★★★★
紹介者 夜半マシロ(中学2年生)
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