本の題名 | 凍りのくじら |
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著者名 | 辻村深月 |
出版社 | 講談社文庫 |
あらすじ | 全てに達観してしまっている高校生、理帆子。自分自身に少し・不在という個性を名付けていて、表面上では上手くやっていても心が孤独で自分の居場所を見つけられずにいた。そんな時、写真を撮らせてほしいという青年に出会い、いつもと違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった、謎の警告。 皆が愛する素敵な”道具”が私たちを照らすとき__________。 |
感想 | これは生きづらさを抱えている人だったり、中高校生なんかに響く要素がとてもあると思います。最初は主人公に共感できなさそうですが、後々その気持ちも薄れてきます。実はドラえもんの道具が少し織り混ざっているので。人間の恐ろしさだったり温かさだったり、理帆子だけでなく私たち自身も実際に触れているような描写。圧倒的な心理描写でした。思春期の心の孤独は、今思春期である私たちだからこそ、時に優しく包んでくれて、時に抉られるように鋭く刺さる作品だったと思います。誰もが納得してしまう思春期をリアルに繊細に描いていて、私的には史上一位の最高傑作だと思います。人間の弱さにも考えさせられるものがある。弱い部分を隠そうとしてしまう本能的なもの。これは絶対に面白いし、考えさせられる。そして泣ける。面白さだけは保障します。まずはあなたの心に素敵な光を灯してみませんか。 |
おススメ度 | ★★★★★ |
紹介者 | 甘もち(あまもち)(中学2年生) |