タイトル | 硝子の塔の殺人 |
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著者名 | 知念実希人 |
出版社 | 実業之日本社 |
あらすじ | 「仕方がなかったんだ…殺すしかなかった」一条遊馬は医療分野への開発で一時期はノーベル賞候補者だった神津島太郎の専属医師だ。しかし、彼には強欲な神津島への恨みがあった。そして彼が建て、6人のゲストを招いた「硝子の塔」で神津島を殺害する。人々は驚愕し、狼狽するがゲストの一人である自称名探偵でミステリマニアの碧月夜は冷静にダイイングメッセージを読み解く。その手腕を見て自身の罪が暴かれるのを恐れた一条は、碧とタッグを組んで謎を解こうとする。しかし、他者による第二の殺人が起きて…交錯する、それぞれの思惑。事件の犯人は誰なのか。一条の殺人は暴かれてしまうのか。“館もの”最高傑作のミステリー |
感想 | 島田荘司は言いました。「今後このフィールドから、これを超える作が現れることはないだろう」と。それほど、この「硝子の塔の殺人」は完成された本でした。作者のミステリ愛は言わずもがな、碧の口から滔々と語られます。そして、この作品で最も特筆すべきは幾重にも重ねられた展開の厚さでしょう。小さく敷かれた伏線。僅かな歪み。それらが何度も驚きの展開を起こし、最後には予想を遥かに裏切る大どんでん返しが待っています。最初、一条が殺人を犯したときには、こんな展開が待ち受けていたとは誰が予想できたでしょうか。ミステリ好きはもちろん、ミステリへの知識がゼロでも楽しめる本になっています。 |
おススメ度 | ★★★★★ |
紹介者 | 柊馬(中学3年生) |