牛乳から作り出すプラスチックはカゼインプラスチックというもので、牛乳に含まれるタンパク質(しつ)から作られます。土にうめても生分解性(せいぶんかいせい)プラスチックと言って微(び)生物により分解されて土に返ります。とってもエコなプラスチックだよ!
・牛乳 ・レモン汁(じる)、または酢(す) ・牛乳を温める鍋(なべ) ・ふきん ・ボウル ・電子レンジ ・フタ付きの耐(たい)熱食器 ・キッチンペーパー、またはろ紙などきゅう水できるもの |
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気をつけよう
・鍋(なべ)を火で煮(に)るときには、やけどしないように注意しよう
・電子レンジで加熱するときには、やけどに注意しよう
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1.
まず牛乳をふっとうするぐらいまで加熱します。加熱したら牛乳にレモン汁を徐々(じょじょ)に加えます
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2.
モヤモヤとした固形物がういてきますのでレモン汁を入れるのを止めてそれを集めます
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3.
ふきんでこします。いわゆるカッテージチーズの出来上がり
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4.
分離(り)された液(えき)体は乳清[=ホエー]と言われるもの
※カルシウムなど多く含み食べられますが、レモン汁や酢を加えているのでかおりや味がキツイです -
5.
ふきんでこして固形物を集めます。この固形物の多くがカゼインタンパク質。これがプラスチックになります
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6.
まずはこの状態(じょうたい)で軽くしぼって水気を切ります。水をかえて3、4回洗浄(せんじょう)
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7.
続いて集めたものを水であらいます。これで集めたカゼインタンパク質にまざっている水溶(よう)性物質を洗い流します洗ったらよくしぼって脱水(だっすい)です(紙ねん土のように見えなくもない)
※集めたカゼインタンパク質は成形後、さらに水をぬいていきます。オーブンシートなどをしいたまな板で行うと裏(うら)返す時に便利です -
8.
スプーンの形に成形
※スプーンというよりヘラぐらいのあつみと大きさ -
9.
脱水はキッチンペーパーなどを使って入念に行いましょう。この時しっかりおして十分な圧力(あつりょく)をかけます。ここで脱水が足りないとうまく固まりません
※ここで出来るだけ脱水することが成功のひけつ! -
10.
成形と脱水がすんだら最後の過熱工程(かねつこうてい)です(形は悪いがスプーンです)
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11.
加熱は電子レンジで行います。固めたものを耐熱食器に入れてフタをして1分づつ加熱。様子を観察しながら加熱します
※かなり熱くなるのでやけどに注意してください。
・加熱1分
・加熱2分:まだフカフカしています
・加熱3分:ここで一度裏(うら)返す
・加熱4分:部分的にかたくなってきました。重合反応(はんのう)というものが起きているそうです
・加熱5分:ほぼ全体的に固まっています
・加熱6分:全体がかたく固まりました。完成です! -
12.
全体がかたくなり、フタに水滴(てき)が付かなくなってきたら完成です。見た目よりも軽く、ちょっとパンのようなかおりがします。しかし、手ざわりはまぎれもなくプラスチック!
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13.
出来たての牛乳スプーン(?)でヨーグルトを食べてみましょう
スプーンは全く問題なく利用できます。折れたり、こぼれたりすることなく、強度は十分
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くふうしよう
・牛乳から作るプラスチックは成形する形を変えれば色々なものが作れます。また着色も出来るので、ちょっとした小物を作ってみるなんてのでもいいでしょう。
写真・原案:馬場 吉成(デイリーポータルZ「夏の自由研究。牛乳から色々作ってみよう!」)