大正浪漫 YOASOBI 『大正浪漫』 原作小説
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NATSUMI |
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双葉社 |
あらすじ | 主人公は中高一貫校に通う中学生の時翔。 ある日、学校を終えて帰宅すると「覚えのない紙きれ」が自分の机の上に置いてあった。 紙きれを開いてみると、『百年後』という文字とともに ・勝手にお洋服を洗ってくれる機械ができている ・お風呂も勝手に沸いてほしい などいくつかのことが箇条書きに書かれていた。これは洗濯機のことではないか?お風呂だってすでに自動だし・・・時翔は、誰が何のために書いたものなのか見当もつかなかったが、百年後の予想みたいなことがたくさん書かれているのだと理解した。気が付くと紙に書かれている項目の一つを読んでは裏面に現状を書き、また次を読んでは書き、を繰り返していた。しばらくすると、先ほど置いたはずの「謎の」紙きれは、いつの間にか消えていた。謎の紙きれが消えてから数週間後、いつものように学校を終えて帰ると、机の上の前と同じ位置に紙きれが置いてあった。内容は、時翔が以前書いた機械の名前とともに性能説明書が書いてあったが、どれも現実のものとは少しずつ違っていた。 これを書いているのは誰なのか? そもそもこの紙をどうやって持って来ているのだろうか? そんな疑問を紙に書き留め、返事を待った。何度か文通をするうちに ・相手の名前は千代子(ちよこ)である ・時翔と同じ東京に住んでいる ・手紙が時空を超えて大正時代から届いている ・相手の元に届くまで10日間かかる 以上のことが分かった。手紙のやり取りを続ける中でお互いへの想いが募ってくる。 一目でいいから会いたい。好きだから。 しかし、令和と大正、生きる時代が違う2人は決して会うことができない。ある日のニュース番組、アナウンサーの声を聞いて頭が真っ白になった時翔。 「関東大震災の日から、明日で百年を迎えます」 関東大震災による死者・行方不明者は推定10万5000人で、明治以降の日本の地震災害としては最大規模の被害となっている。 “大切な人たちを連れて、今すぐ遠くに逃げてほしい” 祈るような気持ちで手紙に書いた時翔ですが、大正時代に届くまでに10日かかる。地震が起こる前に千代子の元に届いて欲しいと願って送った手紙だったが、その願いは叶わなかった。その後も千代子の無事を願う手紙を何通も書いたが、彼女からの返事が届くこともなく時間が過ぎていく。千代子がどうなったのか、時翔には知る術がない。場面は変わり、時翔と同じ現代を生きる女子大生・美月(みつき)が登場する。美月は弓道を習っていて、お世話になっている師匠(80歳を超えている老人)が人探しをしていると知り、手伝うことになる。師匠の正体とは“千代子の息子”。千代子は関東大震災で被災したが、なんとか生きていた。さらに、時翔からの「今すぐ遠くに逃げて欲しい」という手紙も受け取っていた。(関東大震災の発生後だが・・・)地震が起こることを知らせようとした時翔に感謝の言葉を伝えたい一心で何度も手紙を書いたが、以前のように届くことはなかった。そのことがどうしても心残りだった千代子は、亡くなる前に息子(=美月の師匠)に時翔宛の手紙を託していた。一連の事情を知った美月はあらゆる方法を駆使して時翔探しに奔走する。そして奇跡的に時翔を探し出し、千代子からの“時空を超えた最後の手紙”を渡すことができた。手紙を開いた瞬間、見覚えのある待ち焦がれていた文字を 見ただけで時翔の目から大粒の涙が溢れ落ちる。100年の時を超えた手紙が人の手を介して再び時翔の元に届いた。 |

地球グミ (中学2年生)
おススメ度:
この本を読み終えて、切なくも心が熱くなりました。衝撃のラストに涙が止まりませんでした。正直なところ「時空を超えて文通をするなんて無理のある設定だ」と思っていたのも事実です・・・。しかし、読み進めるうちに作品の世界観にのめり込んでいく自分がいました。物語は時翔/千代子/美月という3人の視点で描かれています。ストーリーが進むにつれ随所に散りばめられた伏線が回収されていき、点と点が繋がっていくのでスラスラ読めます。読み始めたら止まらず、あっという間に読了してしまいました。原作小説を読んだ後にYOASOBIの『大正浪漫』を聴くと歌詞が心に沁みます。こんなにも読みやすく、心温まる恋愛小説はなかなかないと思うので皆さんにも是非読んでいただきたいです!
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