りんごはきいろ。
「お前鈴子って書いてりんごって、変じゃね」 お兄ちゃんはいつも私の名前をからかってくる。 「はあ!?変とかお前が言う資格ないし!」 「ふーん変じゃないって一生思ってれば?じゃ寝るわ―」 そう言って2階に上がっていく精神年齢2歳の高校生男子、岡見怜男。それがお兄ちゃんだ。 「もうっ、何なの!?」 私は冷蔵庫の中のシャーベットを取り出し、勢いよく蓋を閉めた。 お母さんは相変わらず、他人事のように優雅にコーヒーを飲んでいた。 「ねえ、お母さんも私の名前を変な風に言われるの嫌でしょ!?お兄ちゃんになんか言ってよ!!」 「そうねぇ、まぁいいかな」 出た。マイペースで楽天主義なお母さんの口癖。 「はあ!?なんでそうなんの!?意味わかんない」 私がシャーベットを一気に口に詰め込むと、お母さんは初めてこっちを向いて笑った。 こどものナマケモノみたいで、ちょっと頬が緩んだ。 「りんごって名前、お兄ちゃんがつけたの知ってる?」 心臓が一瞬、ビクンと音を立てた。 「え…?」 「そうねぇ、お兄ちゃんが6歳のとき、りんごが生まれてきたのよ。真っ赤でちっちゃくて、お兄ちゃんも嬉しそうだった。だから毎晩夢の中にりんごが出てきたんだって。」 何故か震えそうな手で髪を耳にかけたりしながら話を聞いていた。 「それでねぇ、いつかの夢で、大きくなったりんごが、道に落ちてた黄色い鈴を拾って来たんだって。それが鈴だよって教えてあげても、『これはりんご』って言い張って譲らないんだって。その夢の中のりんご、すごくかわいかったらしいよ。」 「だから……私りんごなんだ……」 「そう!だから大丈夫よ」 大丈夫、って、何の根拠もなく言われてるだけなのに、、、。 「…うん」 私もつられて笑っていた。涙をこらえながら、嬉しかった。 「お前ら、いつまで起きてんの!」 お兄ちゃん……眠そうな顔だ。 「そうねぇ、じゃあ寝ましょうか、鈴子」 「うん、おやすみね」 私が薄暗い階段を登り終えたら、お兄ちゃんがこっちを向いていた。 「何?」 「お前らが話してたこと、丸聞こえだぞ?」 「えっ///」 どうしていいのかわからず俯いている間に、お兄ちゃんの日に焼けた顔が目の前にあった。 「やっぱりんごかわいい」 お兄ちゃんは澄んだ低い声で笑った。 「え………!?いや///寝るね!おやすみ///」 「おやすみ」 布団の中でずっと一人で笑ってたのは、内緒だから!!
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いい話~!
「鈴子」と書いて「りんご」って読むんですね! 可愛い名前(*´ω`*)♪ なんだかんだ優しいお兄ちゃん…。 こんな素敵なお兄ちゃんがほしいです笑
いや!
プロ目指してもいいぐらい夢中になれたかも!
すごくいいと思う!
今まで、自分の名前が気に入らなかったりすることもあったけど こう言う話を読むと、ちゃんと理由とかあるんだなぁと思いました! このお話ステキです!