嘘を付いたあの日から【短編小説】
私はあの日、嘘を付いた。 付くしかなかったんだ。 「莉桜、付き合ってくれ」 幼なじみの藤野拓斗が私、前原莉桜にそう言った。きっと勇気を振り絞ったんだろう。肩が上下に揺れている。「ごめん、拓斗。好きな人いる」 そう伝えると私はその場を後にした。 ___嘘だよ。好きな人なんていないよ…。 _____私が好きなのは拓斗なのにっ。 でも、単純に喜ぶなんて私はしちゃダメなんだ。溢れそうな涙を堪えながら走った。 ぐしゃぐしゃになった髪の毛のままベッドに倒れた。痛い。頭がズキズキする。 それは私の頭には腫瘍があるから。 なんで私が?なんで病気は私を選ぶの? 私の病気は、いつか記憶が消えてしまう。 手術をしなければ早くて半年後には死んでしまう。でも記憶が失くなるなら生きてる意味なんてないや。大好きな拓斗のことも今まで勉強したことも。いつか忘れてしまうんだ。 朝になっても気持ちは晴れなかった。天気とすれ違いだ。まるで昨日のことはなかったかのように拓斗が家の前で待ち構えていた。 「おはよ。早く行かないと遅れちゃうぞ。」 …じゃあ先に行けばいいのに。 口を開かない私の腕を引いて荷台に乗っけた。 大好きな人の後ろに居られるのは幸せだった。 けど病気のことを知らない拓斗には少し申し訳なくなった。「ねぇ私もう拓斗と居ない方がいい」 誤解される言い方だったろうか、少し怒った声で「どういうことだよ。幼なじみとしての距離だろ」と言った。いつか、怒った声の拓斗も忘れちゃうんだ。そう思うと涙が出てきた。 「違うっ。私が嫌なの。死ぬなんて怖いよぅ。」 自転車を止め私の話を聞いてくれた。病気の話を。赤くなった目と鼻を見て泣いてくれたんだ。と嬉しく思えた。微笑む私に拓斗は怒鳴った。 「俺は記憶が消えても莉桜を愛すよ!どんな莉桜でも愛すから。…死なないでくれっ。ぜってー俺が死なせないからっ。」震えた声で抱きしめてくれた。暖かい。まだ生きていなくちゃいけないんだ。「ありがとう。ありがとう拓斗。」 これまで流した涙よりも、温かく恋色の涙が頬を伝った。 大好きな人を抱きしめながら。 EDN 短編小説は初めてだったのでうまくまとめられたかどうかわかりませんが読んでくれてありがとうございます。 こういうお話が私自身も好きなので悪い点・善い点あればお願いしますっ。 【読み方】 前原莉桜→マエハラ リオ 藤野拓斗→フジノ タクト
みんなの答え
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泣ける…←(泣き虫です)
言葉のセンスを感じました! 「私の気持ちは晴れなかった。 天気とすれ違いだ。」 ここの、 「天気とすれ違いだ」 という文章表現に惹かれます…。 「すれ違い」って言う表現を することで、 主人公が 自分の気持ちが晴れないことに 寂しさや悲しさを感じていると 言うことがわかってくるのと 同時に、主に伝えたいであろう 主人公の気持ちは晴れない、でも 天気は晴れているということを 明確に伝えているのが めっちゃすごいです(*´`*)パチパチ 句読点での表現を もっと工夫したら良いかと…。 完璧すぎてこれくらいしか 指摘できませんでした…(笑)
いい話ですね~
面白い話だと思いますよ!以下、ちょーっと辛口になります! ・まず引っかかったのは、「勇気を振り絞っただろう。肩が上下に~」の部分。勇気を振り絞ったから肩が上下、というのはあまり聞いたことがないので「いつものニッコリ顔は消え、見たことがないくらい真剣な顔をしてた」とかの方がいいかな、と。 ・わたしの病気はいつか記憶が消えてしまう、というところも引っかかりました。この文だと莉桜ちゃんではなく「病気」の記憶が消えてしまうことになり、意味が分からなくなってしまいます……。 ・カギかっこの部分は行を変えた方がいいと思います。 全部個人の意見ですので、失礼だったらごめんなさい。でも私的にはこういう話好きですよ。
すごくない!?
私の小説の何倍もレベルが高い…!! 拓斗くんみたいな彼氏が欲しいな!!
すごく感動的!!
すごい!!感動的!!!!! 泣きそうになったよ。。。 本当にすごい!! これで初めてなの?!信じられないw すごすぎるよっ!!本気ですごい!!めっちゃくっちゃすごい!! すごく良い小説だねっ!