『小林恋子は、ココに居る。』
私の名前は小林恋子。名前の読み方はココ。 正直あまり好きな名前じゃない。というか、なんか恐れ多い。 お下げ髪に眼鏡。超地味な私は「恋」なんて無縁で、クラスでもまるで空気のように目立たない存在。 誰も私なんか見ていない。 放課後。今日も誰もいない教室で1人……のはずだった。 「なにやってんの?」 「……え。」 現れたのは、岩瀬義人(いわせよしと)。 クラスの中枢的存在。運動神経抜群、ルックス良し、コミュ力最高。 私なんかと関わりがあるはずがない、完璧男子である。 そんな彼に話しかけられたという衝撃で固まっていると、 「え、もしかして、これ直してんの?」 岩瀬くんは私の前にある掲示ボードを指さす。 「……。」 「たしかによく見たらこの掲示曲がってんな……。よく気づいたな」 「……。」 「ん?大丈夫か?」 岩瀬くんは不思議そうに私の顔を覗き込む。 「……なんでいるんですか?」 かろうじて私の口から出た言葉。 「なんでって?」 「だから……、あなたのような目立つ人が空気のように目立たない私に、なぜ構うんですか?」 すると岩瀬くんは驚いたような顔をする。 「どうしてそう自分のことを卑下するんだよ小林」 ドキッ。彼から名前を呼ばれて、無意識に心臓が跳ね上がる。 「それに、空気のようにって言うけど、空気ってめっちゃ大事だろ。だって無くちゃ俺ら生きてけないんだぜ? ……あ、でも、満更外れてないかもな」 「え?」 「だってそうじゃん。 こうやってみんなが知らないところで掲示物直したりしてくれる小林は、このクラスにとって、空気のように、なくてはならない存在だろ?」 「……!」 そう言ってニカッと笑う岩瀬くん。 「やべ、そろそろ行かなきゃ。 ありがとな小林、また明日な!!」 笑顔で駆けていく彼の後ろ姿を、私は今まで感じたことの無いホンワカした気持ちで見ていた。 “小林”。彼から呼ばれたその名前が、私、小林恋子の存在証明。
みんなの答え
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すごい面白いです
すごい面白いです!!
題名に惹かれました
恋を知った少女の行く末が気になりますね… 。空気のくだり、すごく好きです。彼女が岩瀬くんにとって特別なくてはならない存在になることを願います。ただ、そういうキャラだと分かっているんですが、恋子さんの自己肯定感が少し低すぎるのでは?岩瀬くんへの当たりが少々キツく感じました(個人的な意見です)