パパの匂い
今は散歩中。犬のシルクと。シルクは真っ白な素敵な毛並みだからシルク。パパがそう決めた。一週間前亡くなったパパが。パパはシルクのことが大好きだった。 ちょうど一ヶ月前のことだろうか。 シルクとパパは昼の散歩に出かけた。散歩の時間も担当もパパが決めた。日曜の朝と昼はパパ。毎日の夕方は私。 パパはのんき者だ。いつも散歩で寄り道する。そして、素敵な収穫を行う。そんなパパにママは「もう、やめてよ。」と言うけれども、パパの収穫がいつも素晴らしいものだから寄り道してくれることが嬉しかった。ある日はシルクが野菜が好きでバナナは嫌いなこと。またある日はシルクは坂道を走るのは好きだが、下り坂は苦手なこと。「へんなの~」って家族で笑った。それに対してシルクは別にいいじゃん、とでも言うようにそっぽを向いてしまった。またまた家族で笑った。このパパの収穫を聞く時間が大好きだった。そして、一ヶ月前の収穫。パパがとても綺麗な花畑を見つけたというのだ。翌日パパと私はその花畑へと向かった。本当に綺麗で美しかった。紫色の花がしつこくないほどに咲いていた。その翌日も花畑に行った。すると、昨日と違う道だった。おかしく思った。花畑にはひまわりが咲いていた。おかしい。どう考えてもおかしい。でもパパの花に見惚れている顔を見たら声も出せなかった。また翌日も翌日も花畑に行った。しかし必ず道も違うし咲いている花も違った。でもパパにはなぜか聞けなかった。そしてパパは亡くなった。 私は悔やんだ。でももう一度あの花畑に行ってみたい。道は分からないけどいつか辿り着ける気がした。とにかく行ってみることにした。パパの言葉「心に従え」を信じて。「心に従え」そう言うと足は勝手に動いていた。シルクも一緒に。 「着いた…」 心に従った。着いた。シルクは嬉しそうにしっぽをゆらゆら揺らして「ワン」とゆっくりかつ、はっきり鳴いた。 「シルク……着いたね………」 シルクは花畑へと駆け出した。つられて私も駆け出した。ブーメランなんていらなかった。走る走る。シルクと走る。 疲れて寝転がった。息が詰まった。 「パパだ。パパの匂いだ……。」 目が涙でにじんだ。 「ほら。心に従ったら着いただろう。自分を信じて進みなさい。」 パパの声がした。驚かなかった。パパの匂いが語ってくれたような気がした。 「ねえ、パパ。またここに来よう?」 「あぁ。もちろん。シルクと聖羅はパパの宝物だからね。」 そう言ってくれたような気がした。そして、いつのまにかシルクと一緒に花畑で眠ってしまった。
みんなの答え
※きびしいコメントを見たくない人は
「見ない」をおすと表示されなくなるよ!
素敵
結珠です 、よろ ちょ ~ 素敵 です 。 感動 しました ^ ^ またね
「パパだ…。パパの匂いだ…。」すごく好き
聖羅っていうのは、主人公だよね!(違ってたら後ごめん!) 私が好きなところは、 「パパだ…。パパの匂いだ…。」 ってとこです!聖羅がパパとの思い出をゆっくりと思い出して、パパともっと遊びたかったなーとか思っているかな?って思ったから!
すごい…!!
凄いですね…。 私は「夜に駆ける」という歌が大好きなのですが、それと重なってめっちゃ泣けます…!! 年下だとは思いたくないです(((
素敵!
とても素敵です!11歳で書いたなんて思えない! お花畑、亡くなったお父さん、、 素敵で感動しました。 「心に従え」何か心に響ました。 感動をありがとうございます
素敵すぎますよ!
素敵です。本当に素敵です。 感動しました。 心に従え...考えさせられました! このような話、大好きです。 ぜひ、また書いてください!