2人の思い
「光流(ひかる)ちゃん、ワンピースとか着てみなよ。絶対似合うよ!」 「光流ちゃんは女の子なんだから。」 そういう女子の話には吐き気がする。 俺は男だ。なのに誰も、俺の事を男だと認めてくれない。 制服だってスカートじゃなくてズボンが良かった。 女子だと決めつけられてるようで気持ち悪い。 でも、俺は男の子だと言うと、みんな変な目で見てくるから言えなかった。 唯一の救いは、光流という男の子らしい名前。そして… 「ひーかるくん」 俺の事を男だと見てくれている実緒だ。 実緒は、ご機嫌ななめだった俺の頬を白い指でつんつんとつつく。 「どうしたの~?そんな機嫌悪くしちゃってぇ」 実緒はそう言いながらいたずらっぽい笑みを浮かべる。 その笑顔が可愛くて、俺はつつかれてる頬が赤くなるのを感じた。 それがバレないように慌てて椅子を後ろに引いて「やめろよ、実緒。」と言う。 実緒は「そういう時も光流くんはかっこいいね~」なんて言ってぱっと自分の席に戻っていってしまった。 ちょっとした寂しさを胸に俺はあの可愛らしい笑顔を思い出す。実緒は優しい。 俺を俺のままで、俺が男だと受け入れてくれる。 ああ、俺は、実緒のことが好きだ。 「実緒ちゃんは好きな男の子とかいないの?」 「実緒ちゃんってモテてるよね、いいなぁ」 私はそういう話、というかそもそも男の子が苦手だ。 昔、男の人に嫌なことをされてそれ以来、苦手になってしまった。 でもこういう年になってくると、みんな好きな男の子とかの話になってくる。 正直言って、私はその話にまじれない。したくない。 だから男の子『は』好きになれなかった。 「ひーかるくん」 ムスッとした顔をしているなぁと思って、私は光流くんのそばに行く。 光流くんと初めて会った時、女の子だけど男の子になりたいんだなとすぐ気づいた。 そしてその時、私は自分の恋愛対象が女子になっていることを感じてしまったのだ。 光流くんが好き。 私は光流くんの頬をつつき回す。 「やめろよ、実緒。」と言った顔が真っ赤になっていた。かっこいい。 「そういう時もかっこいいね~」と言ってから私は光流くんの顔も見ず、自分の席に戻る。 ねぇ、光流くんは私のことを唯一男の子と認めてくれる子だと思ってる? 確かに私は光流『くん』って呼んでるけど、それは光流くんがかわいそうだったから。 でもね、本当に光流くんが男の子だったら、私あんなことしてない。好きにもなってない。 だから、あなたはこのままでいて。 -2人の想いは違う-
みんなの答え
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深いなあ!
光流くん(?)と実緒ちゃんの想いが、すれ違ってるんだけど、「両想い」っていう…… このもどかしさを文章に表すのって難しいのに、上手いですね! 2人の視点から描かれてあるのも、良いです! ちょっと切ないですね。。