初恋のあの子
僕は海岸沿いの道をいつも走っている。日の出が美しい。 紹介が遅れたけど、僕は『健一(けんいち)』。毎朝ランニングする様になった。 その理由は、毎朝海を眺めている、美しい女の子を遠くから眺めるためだ。僕は、その女の子に一目惚れした。 今日こそは話しかけるぞ、と、思っても、恥ずかしいから話しかけられない。 そんな事を考えながら、女の子を遠くから見つめていると、その女の子は僕に気がついたみたいで、僕を見つめてきた。僕は恥ずかしくなって、下を向いて、何もなかったように走り出した。 僕が女の子の横を通ろうとしたら、 『待って』 女の子が話しかけてきた。 『貴方の名前は?』 『け、健一です』 女の子はにこっと微笑んだ。 『私は知春(ちはる)。知春って読んでね。毎朝健一君が、私を見つめてるから、気になってたんだ。よろしくね』 やばい、ばれてた。 『…よろしく』 『ねぇ、健一君。中学生?高校生?学校どこ?』 知春は僕の顔を覗き込んできた。こんなに近くで女の子の顔を見た事なかった。 『僕は、中二で、〇〇中学校だよ』 『え!同い年!…でも、私は××学校だから、隣の学校だね。…あ!健一君、そろそろ行く時間じゃない?』 『…あ、もうそんな時間か。』 『じゃあ、健一君、また明日来てね!』 僕は大きくうなずいて、前を向いて走った。一度振り向いた時、もう知春はいなかった。 ー次の日ー 『健一君!やっと来たー!まぁ、私が早く来過ぎただけだけどね』 知春は元気そうに手を振ってきた。知春のおろしている髪がさらさらと風になびいている。 『おはよう。ち、知春』 『ふふっ、おはよ!健一君!』 人通りの少ない道に、僕と知春の声が響いた。 『ねぇ、健一、浜辺行かない?』 『う、うん。いいよ』 『やった!じゃあ、私についてきて!』 知春は小走りで森へ入っていった。 『ここの森を抜けると、階段があるの。その階段を降りると、浜辺に着くんだ!一番の近道だよ』 正直、こんな道知らなかった。凄く綺麗な道だ。 『今から行く浜辺には、海の宝石、【シーグラス】が沢山落ちてるよ!なんか、グミみたいで食べたくなっちゃうんだ!』 『シーグラスは食べたら危険だぞ。割れたガラスの角が削れて丸くなっただけだからな。まぁ、美味しそうではあるけど…』 『ふふっ なーんちゃって~!嘘だよ!(にやにや)…あ!健一君、もうすぐ着くよ!』 さっき半分見えた海は、僕たちを飲み込みそうなほど大きく、輝いていた。知春は、目を輝かせながら、海へ走っていった。 『あ!早速シーグラスあったよ!健一君!ほら!綺麗な深緑と青!』 『うおっ本当だ。綺麗だなぁ』 『ねぇ、健一君、海で遊ばない?』 僕は深くうなずいた。…だってこれは、カップルの定番イベント… 知春は靴を脱ぎ捨て、海へ走っていった。(可愛いなぁ)僕も靴を脱いで、海へ走った。 足首が冷たい海に浸かった。僕は美しい海をぼーっと眺めていたら、 ビュッ ビチャ 首のあたりに水が当たった。 『水鉄砲!良い所に当たった!』 知春がにやにやしながら僕を見つめてきた。 僕も知春に水鉄砲で水をかけた。この時は凄く楽しかった。 僕たちは毎朝のように会っていた。俺は、知春の事が前より好きになった。 今日も知春と会う予定だ。…でも、知春は来なかった。 次の日も、知春は来なかった。どうしてだろう。 そんな事を考えてる時、知春が来た。でも、元気がないみたいだ。 『ごめん…』 …え?どうして急に謝るんだ。僕は知春に違和感を感じた。 『私、もう消えるのかな…』 『ち、知春、どういう事……えっ!?』 知春の体が透けていた。 『…今まで黙っててごめん。私、もう死んでるの。私は、幽霊なの』 『…!?』 僕はあまりの衝撃で、言葉がでなかった。 知春は、僕の手をそっと握った。 『健一君、ありがとう。私、一生忘れないよ』 知春はそう言って、空へ消えていった。 end
みんなの答え
※きびしいコメントを見たくない人は
「見ない」をおすと表示されなくなるよ!
切ない…
何という切ないお話… 短編小説を作るのが上手ですね。 同い年なのに…w なんか感動しました(グスッ 涙)