紫陽花の花
私、元峰雪音(もとみねゆきね)は、大親友、田中奈保(たなかなほ)の遺骨を抱えて泣いていた。今、私は奈保の葬式に出席している。 元々、奈保が死んだのは私のせいだ。 奈保が死んだ日、私達は喧嘩をしていた。きっかけはほんの些細なことだったが、一年に一度するぐらいの大喧嘩になった。こういう喧嘩の時、強情な私は中々謝れず、放課後に奈保が私の家に来て謝るのが定番。 そして、放課後に奈保が私の家に向かう途中で、事故は起こった。 奈保の家の近くには、危ない道路がある。そこで、奈保は車に轢かれた。 多分、気がはやっていたのだろう。 私が学校で謝っていたら。…そう思わずにはいられなかった。 2年後。私は中学一年生になった。 はっきり言って、中学では友達とはうまくいっていない。 それでも、奈保の命日のお墓参りを欠かした事はない。今年は、奈保が「雪音みたいだから好きなの」と言っていた、ピンクの紫陽花を持っていった。手を合わせ、奈保に話しかける。 「奈保、私、もう中学生になったよ」 とか、 「今回の花はピンクの紫陽花だから、気に入ってくれるといいな」 とか。ふと気になって訪ねてみた。 「ねえねえ奈保、なんでピンクの紫陽花が私みたいなの?」 当然返事はない。スマホで調べてみた。 次の瞬間、頬を熱いものが伝った。 ピンクの紫陽花の花言葉は、「強い女性」。 「私、強くなんかないよぉ…」 涙が止まらない。 そのとき、ある言葉が脳裏をよぎった。小さい時、気弱だった奈保が男の子にいじめられていたのを守った時の事だ。 「ゆきねちゃんはつよいねぇ」 「ゆきねちゃんがわたしをまもってくれたから、ゆきねちゃんがさみしくなったらわたしがまもってあげる!」 私はたしか、 「ありがとねぇ!なほちゃんはすごいね!」 と返したと思う。 奈保はきっと、この事を覚えていたのだろう。 「ありがとう、奈保…」 死んでまで自分を励ましてくれた大親友には、いくら感謝してもしたりなかった。 終わり
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良い小説!
もし、何十年も後に雪音が亡くなったら、奈保と会えますように。
感想
花言葉… とっても感動しました´・ω・`