『短編小説』 雨とスマホと空の虹
私は今、ものすごくイライラしている。 その理由は少し前に遡る 単刀直入に言うが私はスマホが好きだ。 見た目は小さな機械なのに、世界中の人と繋がれる大きな世界が入り込んでいるから。正直スマホほど大きな世界はないと思う。 雨の日は家の中でゴロゴロしながらSNSで色々な人と繋がる。それに限るはずだったのに。 クラスメイトが、今日1度みんなで集まろうと言ってきた。 わざわざ雨の日に。 絶対に行かない人もいるだろ笑笑 とか思ってたらまさかの全員参加。自分だけ参加しないとかはありえないので、仕方なく着替え、スマホをポケットに外へ出る。 だいぶ大雨だった。ザーザーザーザーと雨は降り、私の靴を濡らす。風も強く両手で傘を持たないと飛んで行ってしまいそうだ。両手がふさがっているならもちろんスマホを見ることは出来ない。家で調べてきたスマホの天気予報によると大雨は今だけで、もう少しで風が弱まり、さらに少しすれば太陽が日を差すらしい。 クラスメイトが指定してきたのは近くの野原だった。 私はあまり行かないが、かなり広く周りは森で囲まれていて紫陽花(あじさい)などの花も咲いている。幻想的なところらしい。しかしもっともっと幻想的な所はSNSで見たし今更この程度のを見たって何も思わず、何も感じないと思う。 心の中で文句を言いまくっていたら例の野原に着いた。 もう既にほとんどのクラスメイトが集まっていて、仲睦まじく話している。 風はだんだん収まってきていて、片手で傘を押さえられるくらいにはなった。 ポケットからスマホを取りだし、適当にいじる。傘にザーザーザーザーと当たっていた雨は段々と勢いを落とし、ポツポツとなり、雨が止む。 急に光が差して眩しさのあまりスマホから目を上げる。 そこで目にした光景に、ハッと息を飲む 空の裂け目から入り込んだ光は虹を作り出した。虹はこの広場を中心アーチ状に大きくかかっていて、まるで自分のことを招待しているようだ。 そして地面へと降り立った光は雨水を照らし、まるで真珠のようにキラキラと輝く。美しい、美しい情景がそこにはあった。反射的に写真を撮る。 それはSNSで見たどの写真より幻想的ではなかった。 だけどそこには確かに美しく、大きな世界が広がっていた。
みんなの答え
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良い!
タイトルセンス抜群ですね! 凄い!
素晴らしいです!
タイトルからして凄くしっかりしていて驚きました。 いまの世の中に必要かもしれないことですね。また読んでみたいです!