リュウガンさん
私は姫野こはく。一ノ瀬くんと、学級委員をやっている優等生だ。優等生の2強といえば私達だ。私のクラスには今重病で入院中の子がいる。その子はあまり親しくなく、クラスの中では少し浮いてるリュウガンさん。もちろん本名ではなく、あだ名。そして今日はリュウガンさんのお見舞い。リュウガンさんのあだ名が男子と似ているって?だって普通に女子にも暴言をはく。だからあまり好かれていない。でも一応クラスの人お見舞いのために、クラスの子で寄せ書きを書いた。 リュウガンさんは病室の一番窓際にいて、文庫本を読んでいた。私たちはまだ文庫本を読んだことをない。というか、文庫本なんて読むのは、大人だけだと思っている。 リュウガンさんは教室のリュウガンさんではなく、しかも、「リュウガン」と呼ばれてるのではなく、「りゅうちゃん」と呼ばれていた。病室のリュウガンさんは大人しく大人びて寡黙で私達とはかけ離れた存在となっていた。 もうリュウガンは、小学生を超えて、大人になり、そして…もう… そう、リュウガンさんは私達と別の世界にいた。 おばさんが「クラスのみんな来てくれてるわよ」といっても、リュウガンさんは「ここだけ読んだら」とそっけなく言う。 そして、何分か経った。時計を見るといつのまにか15分たっていた。 もう、みんな痺れを切らし始め、「こはく、もう渡して帰りたいんだけど…」「姫野、一ノ瀬、早くやっちゃって」そのことに対して私は「あ、うん。わかった。ごめん」 えぇと、慶は?うーわ、先生の後ろに隠れてる…。まぁ気持ちはわかる。いつもは堂々としている慶も今日だけはもじもじしていた。「慶、行くよ」もちろん小声で呼ぶ。 そして、鞄から寄せ書きの紙を取り出す。 「はい、これ。みんなで書いた寄せ書き…」 おばさんは、片手にハンカチを持ち、目を擦っていた。そして呟くように「りゅうちゃん、よかったね。ありがとう」 そして、リュウガンさんは寄せ書きの一つ一つを噛み締めるように読んでいる。 「ありがと」吐き捨てるようにいった。「ここだけ読むから」 そしてまた、文庫本を読む。でも、そっけないリュウガンさんではなく、今のリュウガンさんは泣いていた。
みんなの答え
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感動した!
とても話の内容が深い話ですね 最後の『今のリュウガンさんは泣いていた 』という心情の変化、とても感動しました……