『向日葵畑』
少し前、おじいちゃんが亡くなった。落ち着いてから、私達家族はおじいちゃんの部屋に行って遺品の整理をした。 「二世帯で一緒に住んでいたから、余計に寂しいなあ」 お父さんが独り言のように呟く。 「そうねえ」 おばあちゃんが少し悲しそうな笑みを浮かべて言った。おじいちゃんと使っていたこの部屋も、これからはおばあちゃんだけで使う事になる。ここから見ると、おばあちゃんの背中がいつもより丸まって見えた。 「あ、これ」 私も押し入れの中を漁っていると、麦わら帽子が見つかった。 「おじいちゃんが畑仕事をしている時に使っていた麦わら帽子ね」 私の手にある麦わら帽子を見て、お母さんが懐かしそうに呟いた。おじいちゃんは生前、畑で向日葵を育てていた。 あの向日葵畑、今はどうなっているんだろう。私はとても気になって立ち上がった。 「ちょっと紬(つむぎ)、どこに行くの?」 「おじいちゃんの向日葵畑がどうなっているか見て来る」 「そう……いってらっしゃい。気をつけてね」 お母さんの言葉を聞き流すと、家の駐車場に行って自転車に跨いだ。 おじいちゃんの向日葵畑は、家から自転車で数十分の所にあった。おじいちゃんが亡くなってから、畑はお父さんの学生時代の友達の父親に譲ったそうだ。 私はおじいちゃんっ子だった。小学生の頃は庭で一緒に遊んだりしてたなあ。向日葵畑もよく行っていた。でも中学生になってから部活や宿題、勉強などで忙しくなって中々行けなくなってしまった。 おじいちゃんも、おじいちゃんの育てていた綺麗な向日葵も、今でもまぶたの裏に鮮明に焼き付いている。 どこからか風鈴の音が聞こえる。もう夏。額に汗を浮かべ、太陽から逃げるように自転車をこいだ。 「ここだ」 やっと畑についた。私は元おじいちゃんの畑を見て、思わず小さな歓声を上げた。そこには、美しい向日葵が畑一面に咲き乱れていた。まるで、私がここに来るのを首を長くして待っていたかのように。 おじいちゃん、今年もおじいちゃんの畑に綺麗な向日葵が咲いてるよ。
みんなの答え
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感謝感激感動!
素敵な小説をありがとう!感謝! 表現技法が良かったです!感激! 向日葵畑が!内容が良い!感動!
感動!
感動しました! 話の展開がお上手です! これからもたくさんのお話作って下さいね!