【短編小説】幸せな瞬間とは?
【幸せな瞬間】 私は2-1杉野萌華(すぎのもか)!向日葵中学校に通っています! 「では、この①番!分かる人挙手!」 数学の授業。いつもみたいに張り切って手を上げる! 「ではぁ…。杉野さん!」 「はいっ!!」 力強く返事をし立ち上がる。 …あれぇ?なんて言おうと思ったんだっけ?手を上げるのにいっぱいいっぱいで忘れてしまった。とりあえずテキトーに 「20です!」 するとクラスにドッと笑いが起こった。 先生も呆れた様子。 「もぉ…。みんな人の間違いを笑わない!杉野さん、もう一回確認してみて」 「はぁい」 私もペロっと舌を出し、席に座った。 平凡な毎日がこんなにも楽しいと思えるのは、小学校のときの苦い思い出のせい?おかげ?(まぁどっちでもいいや)だ。 私は小学校のころ、人見知りで友達もいなくてバリバリ陰キャだった。 ずうっと1人でいたから休み時間も暇で、とにかく学校がつまらなかった。 …でも中学生になり、とても楽しい毎日を送れるのは凄くかけがえのないものだな…と、感じたり感じなかったり…。 ほら。早速。 「うぉーい杉野っ!なに間違えてるんだよっ」 イシシと笑いながらからかってくるのは後ろの席の松田。 「別にしょうがないでしょ。忘れちゃったんだから。」 「はぁ?!忘れたのかよ。ダッセー」 またもや笑ってくる松田。 でも、1人でいる時よりはずっと楽しいし、これでもいいのかな?とも思ってしまう。 「コラっ。松田くん、杉野さん、お喋りしない!」 「はぁい」 先生にまで注意されて落ち込む私たち。でも、この瞬間。 やっぱりかけがえのない瞬間。 この瞬間を大切にしたいな。