またこんど
「ここ、もう少し こうしてみるといいよ」 「ありがとう、日永くん」 私は花火みらい(はなび みらい)。 中学一年生。 今、私に楽器を教えてくれているのは 福久 日永(ふくひさ ひなが)。 小学五年生の男の子。 私はヴァイオリンをしている。 けれど、日永くんは私よりも 演奏が上手で、音色も美しい。 日永くんと知り合ったのは ヴァイオリンの大会。 その時の私と日永くんの演奏の上手さは とてつもなく僅差で ギリギリで日永くんに 負けたことを覚えている。 練習ではいつも一緒。 でも、日永くんは私よりも やっぱり演奏が上手。 あの大会で出会ってから、 日永くんはずいぶんと私を越していた。 二つのヴァイオリンが、 綺麗な音色を響かせる。 しかし、そんな二人の友情は いつまでも続く訳ではなかった。 「みらい、そういえば…」 「どうしたの?パパ。」 「日永くん、引っ越しちゃうってさ。 お父さんが海外で 単身赴任するらしくて、 お母さんは東京のこと 何も知らないみたいだから、 祖父母の家に帰ることになったって。」 「えっ…」 その時私は、何かに 心を締め付けられた気がした。 「今度、日永くんが引っ越す前に お父さんの店で お別れパーティーでもしよう。 どうかい?みらい。」 お別れパーティー… 私は何をしようかな。 日永くんとは、会えない訳じゃない。 連絡先も知ってるし、 大会でも会おうと思えば会える。 …けれど、今までのように 沢山話したりすることはもう出来ない。 「…日永くん」 「何?」 「また大会とかで会おう、 待ってるよ! それまで私、 日永くんをぶっ倒すために頑張る。」 「俺だって、もちろん。」 「じゃあ、またこんどね!日永くん!」 「バイバイ」 “またこんど”これがいつかは 分かっている。 だから、“さよなら”とは言わなかった。 本当の友情は、 どこか遠くへ行ったって、 消えてしまったって 永遠に切れることなんてない。 私は、日永くんを越えるんだ。 “またこんど”の言葉に 巡りあうまでに。 【作者です!】 こんにちは! 初めましての方は初めまして! モモヲです! 今回のテーマは、言わなくても 分かるかもしれませんが、 “友情”です! 友達っていいですよね… 是非感想をください!待ってます!