短編小説みんなの答え:1

アカリ

電車の窓から見る景色は明るかった。燦然と輝く光に僕は俯く。 今日の上司はやけに機嫌が悪く、愚痴を延々と聞かされた。誰かの失敗を押し付けられ、同僚から嘲笑された。 残業で疲れた体をシートに沈める。 ついたため息は乗客が一人もいない車両に消えた。 「大丈夫。きっと、大丈夫。いつか、大丈夫になる」 自分に信じ込ませるように独り呟く。しかし、そんな言葉は今となってはもう自分にやる気すら与えてくれない。むしろ、呟くごとに胸が締め付けられる。 上司の声が呪いのようにねっとりと耳にまとわりつく。 誰もが学生時代を懐かしむ。あの頃は良かった、幸せだった、怖いものなしだった。そんな風に言う。僕は違う。学生時代、ずっといじめられ、教師から目の敵にされ、あげく、近くの不良にボコられた。進学校に通いやがってムカつく、そんな理由で。僕には平和な時代というものが存在しない。過去を懐かしみたくもないし、過去を振り返りたくもない。同窓会があっても行きたくないし、行けない。 人は成長する。だが、見た目は成長しても、心は成長していない人もいる。そんなことは分かっている。でも、毎日毎日こんな目にあっていれば、それは嘘なんじゃないか、そう思えてくる。さらに、地方から来たということで同僚の何人かからは嫌われている。 こんなことならずっと地方にいれば良かった。なんで、上京したんだっけ。 あ、思い出した。ここに来た理由。大学を出て、ここに来た僕は、なにか大きなことをやってやる。そう思ってここに来たんだ。悲しみばかりの過去を糧にして、勇気とやる気に変えてやる。そう思ってたんだ。 僕は車窓から外を見つめる。 僕は煌々と輝く、心は冷たい街を眺める。 頑張れるのは、君がいるからだよ。なによりも大事な、君がいるから。 電車が止まる。僕が降りる駅名を読み上げる。 僕は下車して、電車が僕を通り過ぎる。 駅にはまだ、人がいた。 僕は自分が住むマンションに行く。 炯然たる光が僕を照らす。 あのビルに飛べたら。あのビルに飛び上がれたら。 あの日見た夢の景色を見れるなら。 目頭が熱くなり、アスファルトに溢れた涙で、僕は自分が泣いていることを知る。 光に煌めき、鮮やかな色に染まる涙。これが溢れたのは、まだ生きていたい、生きたいと思うから。 ねえ、君もそう思うよね? 僕は携帯電話を取り出し、一ヶ月ぶりの君に電話をかける。君も下にいる、暗い空を見上げながら。

いろんな相談先があります

子供こどものSOSの相談窓口まどぐち[文部科学省]

いじめで困ったり、ともだちや先生のことで不安や悩みがあったりしたら、一人で悩まず、いつでもすぐ相談してね。

みんなの答え

辛口の答え

※きびしいコメントを見たくない人は
「見ない」をおすと表示されなくなるよ!

好きだあああああ!

めっちゃ内容好きです! 文、上手いですね! 憧れてしまうぅ。


11を表示

他の相談も見る

ランキングページへ

相談に答える

相談の答えを書くときのルール

【「相談する」「相談に答える(回答する)」ときのルール】をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
ニックネーム必須

※3〜20文字で入力してね

※フルネーム(名字・名前の両方)が書かれた投稿は紹介できません


せいべつ必須

ねんれい必須
さい

※投稿できるのは5〜19さいです


都道府県必須

アイコン必須

答えのタイトル必須

※30文字以内


じこしょうかい

※140文字以内

※自分の本当の名前、住所などの個人情報(こじんじょうほう)は書かないでね


ないよう必須

※500文字以内


辛口

※ないようがきびしいコメントの場合はチェックをつけてね!


ひみつのあいことばを設定してね

他の人にわからないように、自分しか知らないしつもんと答えを入力してね。

※ひみつのあいことばは忘れないようにしてください

※自分が選んだしつもんや答えが他の人に見えることはありません

ひみつのあいことば①必須

※使える文字: ひらがな・カタカナ・半角英数字

※半角カタカナ、全角英数字が使えないよ

※2〜20文字で入力してね

ひみつのあいことば②必須

※使える文字: ひらがな・カタカナ・半角英数字

※半角カタカナ、全角英数字が使えないよ

※2〜20文字で入力してね

※みんなで使うスマホ・パソコンではチェックしないでね

※毎日キズなんに来ていると、ずっと自動で入力されるよ。くわしくはコチラ