負けました。探偵
私の名前は“安藤夏実”。 夏が大好きの元気いっぱいの5年生です!もちろん、好きな人もいるよ。その名前はね… 「安藤!おはよう。」 「おはよ!杉浦!」 “杉浦唯有”くん!ちなみに、ゆう、って読みます。唯一の自分らしさをこれからの未来へと可能性を広げてほしいという意味なんだって。この前教えてくれた。唯有はサッカーが得意だからな、自分らしさだと思うけど。 「おい、安藤!何一人でぶつぶつ言ってんだよ?遅刻しちまうぜ。」 「やっばーーーー。教えてくれてありがとぉ!」 唯有は私になにかと気にかけてくれている。好き。 これって脈アリなのかな…?私はそう思う。引くかもしれないけどごめんね。本気で唯有のことが好きなんだ。自信ある。決めた。 私、明日、杉浦唯有に告白する。 キーンコーンカーンコーン 朝のチャイムが鳴る。唯有、気付いてるかな?朝の時間中、 『杉浦唯有くんへ 昼休み、給食食べ終わったら、話したいことがあります。屋上庭園へ。』 って書いた手紙を唯有の机の中に入れておいた。気付いてくれてますように… 「ごちそうさまでした!」 私は元気よく食べ終わってすぐに屋上庭園へ向かう。ちゃんと待っときゃなきゃね。 「さようなら!」「さようなら!」 クラスのみんなが元気よくあいさつをしている。昼休み、唯有は、来なかった。どうして?なんで? 唯有が気がつかないはずがない。気分は曇り。下足箱へとのろのろ歩く。 ドキッ 私の心臓の音がはっきりと聞こえた。私の靴の中に封筒が入っていた。……黒の。 校門を出て人目のつかないところで開けてみる。 『安藤夏実さんへ 告白されても、ダメです。その時まで、ごめんなさい。 杉浦唯有』 …ウソでしょ……ショックで声も出なかった。 突然に冷たく激しい雨が降り出した。 あれから2週間後。 私のテンションは低い時しかない。唯有とも目が合わせられない。ずっと下を向いている。 でも、唯有に聞きたいことがたくさんある。私は心のモヤモヤを放置できない人だ。 「杉浦!今すぐこっちに来い!」 好きな人に対してやばい言葉遣いしちゃった…… 「なんだよ!?安藤。どうせ俺に質問したいこといっぱいあるだけでそれを解消したいだけだろ?」 図星すぎた。辛かった。 「そうだよ!あのままほっておくなんて最低だよ!」 思わず涙声になってしまった。 「ごめん、じゃあ聞けよ。答えてやるから。」 「……。じゃあ一つ目。なんで手紙が私が書いたってわかったの?」 「そりゃあ同じクラスなんだからさ、分かるよ。安藤はいつも先生の質問にハキハキ手を挙げたがるだろ?でも、今日はそんなこと一切なし!何か緊張してるってこと。次に給食後さ。俺はわざと最後のプリンの一口だけ置いといたんだよ。そしたらさいつも給食残すのにめっちゃ早よ食べ終わって頬を赤くして小走りで行く安藤がいた。そしてプリンを食べ切って速攻片づけてついて行くと屋上庭園。だいたい人が告白するのって屋上庭園じゃん?これで安藤の質問だけじゃなくて全てが証明終了。」 す、すごい……この分析力はやばいかもしれない。 「………あたり。」 「だろ?俺の将来の夢、探偵なんだぜ。ホームズとかガチでかっこいいし。」 「でも、こんな封筒はないじゃない!黒よ!黒!」 「落ち着けって…。手紙にしようとしたのは即断。安藤はB型やから心はガラスのハート。4年時も学級委員の自分を責められる言葉で泣いちゃってたし。だから率直に言うより手紙の方がいいと思ったんだよ。黒の理由は安藤は蟹座だからこの前の星占いでは運が悪い方。ラッキーカラーは黒。アンカラーは白とか薄い色。せめて、黒の方がええって考えた。どう?」 …た、たしかに…昨日真っ白の豆腐でお腹を壊した。 「そっか…。でも!ひどい!」 「ごめん、でも、俺、安藤を嫌ってるわけじゃないぜ。なんだろ?友達としてなんかいい奴なんだよなぁ。こんなことあったらしゃーないけど…。そや!お詫びをいただく。」 「え?」「安藤を傷つけたからにはお詫びせんとな。何をしたらいい?」 「うん、……。親友になって。」「え?」 「親友になって!」「そんな頼み…?大歓迎や!全然いいよ!」 「この事件でゴッタゴタになったけど俺らは熱い友情で結ばれてる…。いいな!」 「ちょっと!私のセリフ全部とらないでよ!」 「ごめん!……でも別にいいやろ?………夏実。」 「しょーがないなぁ、………唯有。」 愛か友情か。恋人か親友か。片思いらしき恋は続くのです。
みんなの答え
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唯有くんヤサシ…。
唯有くん夏実ちゃんを傷つけないようにしてたの優しい…。