ある男の日常
カチ 今日も友達と部屋にいる。私の職業は軍人だ。私たちは強い。前の戦闘でも一番最後まで生き残った。今日も荒地で戦闘が起こる。ご飯を食べる余裕はない。転戦に次ぐ転戦で疲れ果てたが、まだ全員生き残っている。そんな中、思わぬ相手が現れた。仲間が一人やられたのだ。どこから撃っているのか、死ぬ間際に教えてくれた。東側だ。目視で確認できる敵は二人、でもこの荒地で生き残っている人は7人いる。あと二人はあのチームではないようだ。ともの仇を打つ為に東側に向かって進む。スコープを覗いて敵の位置を探る。 カチカチ。 向こうは狙撃銃だ。自分たちの武器では敵の場所まで弾が届かない。とりあえず間合いを詰めなければならない。 カチカチカチカチ。 そういえば残り二人のチームはどこにいる?全く見当たらない。 カチカチカチカチカチカチカチ。 自分たちが有利な距離まであと数メートル。敵のエイムは追いついていないようだ。このままいけば勝てる。 カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ。 横から銃声が聞こえた。仲間がもう一人やられた。ヘッドショットでワンキルだ。そう思った矢先、前から機関銃の音がする。仲間がまたやられた。動悸が激しくなる。 カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ 足に被弾した。もう一発銃弾が当たる。体力は少ない。包帯モスポードリンクもないため回復ができない。いやだ。死にたくない。負けたくない。 カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ プツン、と何かが切れる音とともに世界は暗転する。そこにはただ一人の巨人がいた。頬はやつれて目は興奮した猫のようだ。とても人とは思えない。髪はボサボサで髭は汚く伸びている。手にはマウスを持っており。キーパッドの横にはハエがたかった弁当がある。 私は何か思い出したよう辺りを見渡す。ゴミが散らかり、異臭を放つ部屋を私は知っている。鏡を見ると、さっきの化け物が立っていた。 違う、僕じゃない!こんなのは僕じゃない!僕は軍人だ。こんな汚い男じゃないんだ! 私は奇声をあげて鏡を叩き割った。 次の日である。男は今日も部屋にいる。昨日は負けてしまったが今日は大丈夫。仲間とも反省会は済ましてあるようだ。ブルーライトがおぞましい顔を映し出し、男は不敵な笑みを浮かべる。マウスの音は部屋の中を不気味に響き、今日も戦闘が始まった。 カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ…