スクールカーストデビュー
スクールカースト。 この言葉、聞いたことある? 私、空音ゆきは、最近知ったの。 簡単に言えば、表面だけでクラスメイトを順位付けしていって、いじめとかになること。 私のクラス、6年1組は、この前まですっごく平和だった。 みんな平等で、みんな意見を言えて、みんな笑ってて。 他の人のこと、ちゃんと理解して、知って……。そういう努力をしていた。 だけど今月に入って、転校生がやってきた。 東京から来た子で、勉強、スポーツ、なんでもできて、美人でオシャレで、コミュ力も高くて。 名前、西園寺ゆり。名前までお嬢様の子。 その子が来て、一週間あまりの日。わたしは違和感を感じた。 なぜか西園寺さんが、このクラスを仕切っていたのだ。 周りの子に命令もしてる。あれやって、これやって、は?私やってって言ったよね? という調子に。 まさに女王様にでもなったかのような振る舞い。 私は少し変だなと思って西園寺さんに言おうとした。 …その時に、私の親友、七坂まゆも、私と同じことを思ったようで、真っ直ぐに西園寺さんに向かって言った。 「何このクラス仕切ってんの?このクラスあなたのものじゃないよね?なんで命令とかしてるわけ?女王にでもなったつもりなの?」 そう言うまゆを見て西園寺さんは鼻で笑った。 「え~?だってぇ~、私このクラスで一番賢いしぃ~、美人だしぃ~、ほんと女王様でしょ~?笑! いつも100点でぇ、マラソントップゴールでぇ、1日に告白数十回当たり前だしぃ~!笑! あ、あんたみたいなブスで頭悪い奴にはわからないかぁ~笑笑!」 そんな調子で、返す西園寺さんに私は絶句した。 まゆは相当傷ついたようで、私に涙を隠すようにしてずっと泣いていた。 西園寺さんの周りにいた、私の友達たちは、西園寺さんの部下みたいになってて 調子を合わせて鼻で笑っていた。 ショックだった。 前まで仲良くしていた、まいちゃんも、ゆめちゃんも、みつきもさやぴーも、西園寺さんの言いなりになっていたから。 その日からいじめが始まった。 こんな言葉で説明できないほどだった。 教科書やノートはビリビリに破かれて、机や椅子には「アホ バカ 死ね ブス」と毎日落書き。 上靴は捨てられ、貴重な100点満点にテストは没収。 給食は山盛り入れられ、牛乳に虫を入れられる。 頭からお茶をかけられ、筆箱とか鉛筆は盗まれて 放課後には体育館裏に引きずられて、服を脱がされる。 裸にされて、蹴られてはたかれて、ぶたれた。屈辱の他のなにものでもなかった。 これはまゆへのいじめだった。 私は助けたい一心で、そばに行くけど、 自分もされるかも、と思うと、やっぱり足が踏み出せない。 怖くて怖くて。 まゆには申し訳ないけど、自分がされなかったらいいや、と思う自分もどこかにいる。 見ている私も辛い。 だったらまゆはもっと辛いよね。 私が勇気出さなかったら、まゆが苦しむままだ。 放って置けないよ。 ーーだから私は、怖いという感情を噛み締めて、1歩を踏み出したーー 「うわ~!可愛い!!」 今はまゆの家に来ている。 と言っても、七坂まゆではない。 「山内まゆ」だ。 そう、まゆは結婚した。 相手は山内光。 あの時、そう、ちょうど十年前、私と同じタイミングでまゆを助けようとしたのが光だった。 まゆは光に一目惚れして仲良くなった。 光はクラスの人気者だったのもあって、次第にいじめもなくなっていった。 あの時光が、勇気を出してくれていなかったら 今頃まゆはどうなっていたかわからない。 だから光はまゆの恩人でもあり、初恋の人なのだ。 そして今日私がこの家にやってきたのには理由がある。 そう、2人の間に子供が生まれたのだ。 双子の美咲ちゃんと愛梨ちゃん。すっごく可愛くて、愛らしくて、ふわふわしてて。 まゆと光くんの笑顔を見てるとこっちも嬉しくなってくる。 ずっとずっと、これからも永遠に、2人が幸せでいられますように。 そう願いながら美咲ちゃんと愛梨の小さなおててをぎゅっとにぎった。
いろんな相談先があります
子供のSOSの相談窓口
チャイルドライン[特定非営利活動法人
チャイルドライン支援センター]
みんなの答え
※きびしいコメントを見たくない人は
「見ない」をおすと表示されなくなるよ!
おもしろかったよ!
スクールカーストって題名が気になって読んでみたよ!そしたらすっごくおもしろかった! 最後の文、いいねぇー。可愛らしい2人が頭に浮かぶ文で、大好き!まゆちゃんの家族、これからもずっと幸せでいてくれるといいなぁ…。 ていうか、ゆりちゃん酷いねっ!!美人だからって、モテるからって、なんでもできるからって調子乗んな!!人間に1番必要なのは性格だぞーーー!!!! 次はゆりちゃんの将来も書いてくれたら嬉しいな!気になる…( ・∀・) ニヤニヤ 面白い物語読ませてくれてありがとっ!またね!