短編小説みんなの答え:0

(物語)夏の日の夜にトモシビを

私はミライ。友達のカコちゃんと竜宮山(りゅうぐうざん) という場所で夜のキャンプ中。 私とカコちゃんの両親もいるよ。 カ「ミライ、ちょっといい?」 カ「ミライに言いたいことがあるの」 ミ「うん、どうしたの?」 カ「私、竜宮山のこと詳しいんだ。 だからミライに秘密の場所を案内しようと思ったの。」 ミ「秘密の場所?竜宮山に?そんな場所があるんだ。」 ミ「お母さん達、散歩に行ってきていい?」 母「迷子にならないように灯りと地図を持って行きなさい。」 母「あと、スマホを持って行きなさい、何かあったら電話するのよ。」 母「危ないからあそこのロープの外に出ないようにするのよ。」 ミ「分かった。行こ!」 私達はスマホと灯りと地図を持ち、暗闇の中を歩いた。 冒険というか、探検というか、そんな気分だ。 ロープ内だから危なくない…はず。 ミ「秘密の場所、どんなところなの?」 カ「凄く美しい場所…かな。」 この先、山道。砂利道に注意。 ミ「もうすぐかなぁ。」 カ「あ、ミライ。そこに入るには、 あることをする必要があるんだよ。」 ミ「あること?」 カ「トモシビサマ、トモシビサマ、入ります。」 カ「私達にトモシビを下さい。」 カ「こういうと、入ることが出来る。」 ミ「トモシビサマ?」 カ「うん。ここ一帯はこの神様に守られているんだよ。 蛍湖(ほたるこ)という湖があるんだけど、そこの神様なの。」 カ「その許可を貰わないと、罰として不治の病を 受け取らなきゃならないんだ。」 カ「昔悪戯で言わずに入った大人が亡くなってしまったの。」 ミ「そ、そうなんだ…」 カ「ほら、着いた。ここが蛍湖。」 湖上を無数の蛍が飛び交い、夜空に輝いている。 ミ「トモシビさま、トモシビさま、入ります。」 カ「私達にトモシビを下さい。」 カ「トモシビは、亡くなった人の魂なの。」 カ「昔、ある男の人が恋人を亡くした時にここに立ち寄ったら、 その人と会うことができたという説よ。」 カ「ほら…力を貰えるでしょ?」 ミ「ホントだ。力…貰える。」 その時、ミライは気付いた。 ミ「お婆ちゃん!?」 カ「全ての命が、全てのトモシビが、還る場所。」 カ「そこが、蛍湖。」 婆「ミライ、久しぶり。お婆ちゃん、ミライに言いたいことがあるの。」 ミ「なあに?」 婆「どんな時も、お婆ちゃんはここにいるから。」 婆「寂しくなったら、ここに来るんだよ。」 ミ「うん!」 いつか、自分も還る場所。そこが、蛍湖。

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