『人魚』
昼休み。私はウキウキしながらプールの近くにある更衣室に向かった。セミの声を聞きながら、手早くスクール水着に着替える。更衣室から出ると、いつもは制服で隠れている二の腕を、夏の太陽がジンジンと照らした。 「あら、今日も水田(みずた)さんは一番乗りね」 体育教師の齋藤(さいとう)先生がにこやかにそう言いながら近づいて来る。 「はい! 私、プールが大好きなんです! だから、この学校に水泳部がないのがめっちゃ残念なんです」 私が元気よく言うと、齋藤先生は苦笑いをしながら言った。 「そうね……高校では、水泳部が強豪の南高校に行けば、ほぼ毎日プールに入っていられるわよ」 「え! 南高校ってこの辺りではめっちゃ進学校じゃないですか! 私には無理ですよ~」 そんな他愛のない会話をしていると、同じクラスの生徒が集まって来た。 「それでは、準備運動を始めます」 齋藤先生の一言で私達は整列し、準備運動を始めた。それからシャワーを浴びたりしてから、私達は水泳の授業を始めた。 プールの中に入ると、真夏の暑さとプールの水の冷たさでちょうど良い体感温度になる。潜ると透き通った水の中で、たくさんのクラスメイトが泳いでいるのが見える。綺麗に泳げている子もいれば、泳げているけれどフォームがぐちゃぐちゃな子、すぐに足がついてしまってほとんど歩いている子などいろんな子が見えて、なんか青春を感じる。 泳ぎ始めると、なんだか楽しくなってずっとこのまま、人魚のように泳いでいたいと思う。息継ぎをした時はプールの外側を水を滴らせながら友達と歩いている女の子がチラッと見える。水の中では右に顔を向けると同じように泳いでいる子が見えた。私は平な水面を水しぶきに変えていきながらどんどんと泳いでいった。 授業が終わる10分前、先生から自由時間が与えられ、私はプールの中に潜り水面を眺めた。不規則に揺れる水面、クラスメイトの賑やかで青春を感じさせる笑い声、午後の日差しが輝く青い空。どこからかお茶目な魚がこちらにやって来て、一緒に美しい七色のサンゴを後にしながら泳いでいく。私は美しいひれを動かし海水を蹴るように泳ぐ。やっぱり人魚で良かった、泳ぐのは楽しいと思いながら。どこまでも見えそうな透き通った海、ここが私の故郷。 「……美波(みなみ)! ずっと潜ってるけど大丈夫?」 ふと、友達の声で我に帰る。はっとして私は立ち上がった。頬から水が滴りこそばゆい。 「大丈夫? 一緒に泳ごうよ! 自由時間あともうちょっとだよ!」 「あ、うん! じゃあ、どっちが先に向こうに着くか競争ね! よーい、スタート!」 私の掛け声で私達は一緒に泳ぎ出した。人魚のように。
みんなの答え
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すごいですね…!
こんにちは!華菜です!☆ 一年前の小説へのコメントスミマセン。 表現の仕方などがすごく頭の中で想像しやすくて、とてもすらすらと頭に内容が入ってきました! 夏の学校のプールから見える景色がすごく細かく書かれていて、ほんとすごいですね!! 語彙力なさすぎて申し訳ないです… 感想をもっと書きたかったのに…っ!笑 それでは!