ラブレター
私には、好きな人がいる。 テニス少年の彰(あきら)くんだ。 残念なことに、彰くんには、 カノジョがいる。 男子には優しく、女子には厳しい、 いわゆるブリっ子の月穂(つきほ)だ。 月穂は、クラス、いや学年のリーダー 女子だ。 彰くんは、月穂の女子への面に気づいていない。…空しい。 「あっきらくーん」 ラブラブ光線を振りまいた月穂が 目の前を通る。 その先にいるのはもちろん… 「おう、月穂!」 彰くん…気づいてよ!月穂の黒い1面に! こんなことで、私の恋は実りそうにない だけど、私は告白を決意した。 どうせなら、全部ぶちまけてから 終わりたい! そう思ったからだ。 ー次の日の朝早くー いつもよりずっと早い時間。 私は靴箱の前にいた。 周りを伺いながら、 そっーと彰くんの靴箱にラブレターを 忍び込ませる。 こっそり植木の後ろに隠れて、 みんなが来た後に何気ない感じで 紛れるつもりだった。 「瑠奈さん?」 「!!」 この声は… 「私のカ、レ、シの靴箱に何入れたの」 「つ、月穂さん…」 「まさかラブレター?」 「…」 「馬鹿なことするわね! こんな時間に。知らない? この時間は私とカ、レ、シの 入ってるテニス部の朝練よ!」 え?そ、そうなの!? すると、月穂がラブレターを取り出した 「な、なんで月穂さんが持ってるの!」 「ふん、瑠奈さんがこれを渡すなら そのことをクラス中に公表するわよ!」 「そ、そんな!!」 「嫌だったら諦めなさい!」 しょうがない。諦めようとしたその時、 「やめろよ、月穂。」 「あ、彰くんっ!?」 私と月穂の声がシンクロする。 「月穂。なんでそんなこと言うんだ…」 彰くんの押し殺した怒りの声 「ち、違うの!瑠奈さんがいじめてきて、それで怖くなっちゃって…」 は?何言ってんの!? 「違うの彰くん!月穂の方から…」 「最初から見てたぞ。分かってる。」 「彰くん…私彰くんとずっと一緒にいたかったの。ほかの女なんかに取られたくなかった。大好きなんだよ!」 月穂がすがるような目で言う。 「もう終わりだ。お前は俺の彼女じゃない。ただのブリっ子女だ!」 「瑠奈!俺と付き合ってくれ!」 へ?なんでそうなるの?! 「悪口言われててもずっと耐えてる様子、俺が守らなきゃって思ったんだ。それが俺の使命なのかもって」 答えはもちろん! 「もちろんです!」 「キイイイイイイイ!!!!なんでなんでなんで!」 月穂が絶叫する様子を横目に見て、彰くんは 「また新しい彼氏見つけろよー」 と、からかうような声で言った。 その時、ガシッと肩を掴まれて、 強引にキスされた。 嫌なわけなかった。嬉しかった。 これからが、楽しみだな。