誰かの夢
胡蝶の夢、というものを知っているだろうか。 それは、荘周という中国の戦国時代の思想家による説話である。 内容としては、荘周は夢の中で蝶(胡蝶)として飛んでいた。しかし目覚めると、いつもの荘周だった。はたして荘周が胡蝶の夢を見ていたのか、胡蝶が荘周の夢を見ているのか。というものだ。 今の自分が自分なのか。蝶の自分が自分なのか。それは分からない。 今から語る話は、胡蝶の夢の様な出来事があった少女の噂である。 それが少女が見た夢なのか、はたまた夢の中の自分が見た夢なのか、それは誰も知らない。 小山夕陽は最近奇妙な夢を見るらしい。 ある少女になった夢を。 その少女は、高無さやかという。さやかは同じクラスの、気の強い・・いじめっ子だった。 夕陽はさやかを避けていた。特別目立つ訳でもないので、いじめられないか心配だったのだ。 当然避けていたので、彼女のことはよく知らない。だが、その奇妙な夢を見るようになってから、彼女がストレス発散の為にいじめているとか、そういうことが分かってきた。それが本当なのか分からないが、少なくとも夢の中のさやかはそんな子だった。 ある日、夕陽はいつもどおりに布団に入り、眠りについた。奇妙な夢は2日に1日は見るようで、今日も見るかも知れないと感じていたが、案外早く眠りについた様だった。 ふと目をあける。現実の夕陽の部屋の天井ではない、夢に見るさやかの部屋の天井だったので、さやかの夢を見たと夕陽は確信した。 さやかのベットから身を起こす。明らかに自分の部屋にない家具が置いてあった。それに朝日が差し込んでいる。夕陽の時間帯とは違うので、夢だとは思うが、朝食の匂いや床を踏んだ感触など五感があるので、この夢は不思議だと感じた。 いつもと違う朝食を食べると、制服に着替えた。十回もこの夢を見たので、慣れているのだ。そして、それなりに楽しんでいる。 制服に着替えると、鏡の前に立ってみた。ーうん、さやかだ。と、夕陽は回転してみせた。 この奇妙な夢は、自分じゃない自分が味わえて、楽しいと感じながら。 それから、さやか・・もとい夕陽は通っている中学に向かった。始めは宿題とか大丈夫かな、と心配していたが、何故かされていたので、気楽に学校に向かった。 教室の扉を開けると、気の弱い神田美穂がいた。さやか(夕陽)はそれを見たとたん、美穂に自分の靴を投げつけた。 夕陽がやった事ではないが、無意識にその行動に出たのだ。美穂はびっくりした顔をして、すくみあがった。さやか(夕陽)がまた靴を投げようとした。蹲る美穂。さやかが靴を投げ下ろそうとした瞬間ー 「やめなさい!」 教室に響く怒声。さやかがビクッとして声の主の方を向いた。 「・・!」 あんぐりと口を空けるさやか(夕陽)。なんと声の主はー 夕陽自身だった。 何で、私がここにいるの?さやか(夕陽)はその衝動にかられた。 私は夕陽なのに。何で私はさやかで、夕陽は私じゃないのか。 その瞬間、目の前が暗くなった。しばらくして明るくなると、そこは元の夕陽の部屋だった。布団には寝汗がびっしょりと付いていた。まだ、気持ちの整理ができていなかった。何であっちに私がいるのか。 もしかしてー。夕陽は考えた。身体中が震えて、怖かった。 これが夕陽が見た夢の話。あの後夕陽は、こんな事を考えたのだろう。夕陽としての私は夢で、さやかとしての私が現実ーと。 その真相は誰も知らない。主体としての自分に変わりはないのだから。 少しホラーテイストな話でしたが、いかがだったでしょうか? 私はそんな夢みたことないですけど、たくさんの感想よろしくお願いします(笑)
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おぉ!
凄いです! 胡蝶って見て鬼滅の刃胡蝶しのぶさん かと思いました。 漢字いっぱいですね。 でも凄い!!!!
わーすごーい
なんかすごいねぇ~漢字が… 漢字ばっかりじゃ読みにくいからふりがなふってくれるといいなぁ