閉ざされた楽園で
「あなたが生きられるのは長くて1年、短くて7か月でしょう」お医者様がそう告げた。いつもニコニコしている医者が死神のように見えた。「そ、、んな、、嘘よ!」私、長野華子(ながのかこ)は死神から逃げるように病院を飛び出した。「死神の言葉なんて信じるもんですか!」そう叫んだ私を通行人がジロジロとみている。でも、「死神につかまりたくない!」その一心で走り続ける。癌だって知らされ、まだ一ヶ月経ってない。そんな早くに進行するわけない。進行してほしくない。いや、癌だってことも信じられない。信じたくない。気づいたら、家についていた。「ただいま、、、恵美」仏壇に向かってつぶやく。両親が事故で死んでから、私と妹の恵美の二人で暮らしてきた。私がこの子を守らなきゃって思ったとき、恵美は両親の後を追うように事故で死んだ。そして、この病気。神様は、わたしの家系をぶち壊すつもりなんだ。もう嫌だよ。どうせなら事故で死にたかったよ。長く苦しむ病気より。「はあ、、、」ためいきをつき、ペットのウサギにエサをやりに行こうと部屋へ向かう。するとうさぎはいなかった。「逃げた、、、?」うそでしょ。癒しまでもらえないなんて。「カラオケにでも行ってストレス発散しよう。」外は暑い。帽子をかぶらないと。「あれ、、?」うそ。帽子がない。両親の形見の麦わら帽子が。「どこ!どこ行ったの!」もう嫌。嫌。嫌。嫌。嫌。「この世の全員いなくなればいいのに。」そうつぶやいた。「何も信じられない。」そう叫んだ。その時、目の前にウサギが表れた。麦わら帽子をかぶった白いうさぎ。帽子を突き抜け、白い耳が飛び出してる。その横には、うねうねした紫の何か。ウサギは、ついて来い。と言わんばかりに、紫に入る。私も入った。そこは、いろんな遊具があるところ。楽しそう。だけど、静か。すると女性が現れた。「私、メイ。宜しく。楽園へ、ようこそ。」水色の髪に、ピエロのお面。不思議な人。それにしても。楽園か。どおりで美しいわけだ。でもどこか悲しい。「心を閉ざしたら、来れるの。楽園は、あなたと同じような人がいっぱい、いるの。」メイさんは、鈴のように綺麗な声でそう言った。「そう。」私はそうやって返すと、楽園を見て回る。いる人たちはみんな暗い雰囲気をまといながら、遊んでいる。ピエロのお面をかぶって。そして皆、心臓の部分が黒い。気づくと、私の心臓も黒かった。「仲間にしてアゲル。」メイさんは、私にピエロのお面をかぶせた。どこか遠くで友人がよんでいるようなきがしたけど、気にしない。さいごにきこえたゆうじんのこえは、「死なないで!」だった。「もう遅いよ。ここに来たら、戻れない。」メイさんの声が聞こえた。それが覚えている最後の記憶。あなたも、ここにクル? end