偶然
小説を書いていた。 窓を開けて、夜空に舞う小さな星のかけらを吸いながら。 今日しかない、今日だけの星のかけら。 けどそんなこと言ってたら、 「これは今日だからこそ見つけたもうこの世に一つだけのホコリです。」 でも通ってしまう。たとえそれを高い値段で売ったって世界に一つなんだから筋は通る。 「この人は今日私があの通りを歩いたから出会えた、この世に1人しかいない青年です。」 って言ってもおかしくはない。人間とホコリってそう考えると似てる? 人間からしたらただのホコリ。ホコリからしたらただのそこにいるだけの人間。 なかなか難しい問題である。いや、ただ私が変な思考回路を作ってしまっただけかもしれない。 うーむ。 そんなくだらないことを考えていたツケだろうか。 小説がしばらく構っていなかったせいか窓から飛んでいってしまった。 これもまた、今日私が窓を開けていて、こんなことを考えていたから飛んでいった小説の原稿。 誰かが拾って読んだとしても、まあ、それもまた偶然。 認めざるを得ない。 街を歩いていたら、小説の原稿が降ってきた。 これまた珍しい天気である。 小説時々くもり。 雨が降るのは、雲が重くなった水滴を放り出すからである。 小説ってそんな重いか? まあ、水滴の方が軽いので放り出されても申し分ない。 そう考えると、人間と雲は似ている。 人間だって自分にとって重苦しくなったものを投げ出したりする。 雲も一緒だ。 もし、小説を書くのが重荷になったのならもう取り戻そうとしても気怠くて無理だ。 雲も、雨粒を放り投げたらもう取り戻す気力なんてないだろう。 てか、小説降ってくる時点で何かおかしい。 気づきゃよかった。 小説を拾い、家に持ち帰る。 この小説は、誰かに放り出されたのだろうか。 二つ折りになった紙を開いてみると、そこには2つの文字。 「偶然」 そうか、偶然か。偶然手放したものも、たしかに拾うのは気怠い。 雲も一緒なのだろう。偶然か。 誰かに読まれただろうか。 読んで、何を思っただろうか。偶然というテーマだけが書かれた原稿に。 「偶然」を誰かに「偶然」として届ける。 それもまたいいかもしれない。 本文もちゃんと書いておけばよかった。あれ、でもそれはもう偶然じゃない。 意図的というものだ。 偶然私の窓から飛んでいった偶然に、誰かが偶然出会いますように。 その偶然を、ただひたすらに、待ちながら。 コメント この世の中って、偶然から成り立ってますよね。 誰かの偶然に誰かが支えられて。その支えられた偶然がまた誰かの偶然につながって。 感想いただけると嬉しいです。 読んでくださりありがとうございました。 また次の機会にー。 by地縛霊
みんなの答え
※きびしいコメントを見たくない人は
「見ない」をおすと表示されなくなるよ!
哲学ですね
世の中って偶然でできている面もありますもんね。(便乗) 表現法が美しいです。(羨ましい) なんかもう、めっちゃ伸びてほしいです。この小説が(倒置法) 不思議ですね。(?) (寝起きで書いてるから文脈が逝ってる)