短編小説みんなの答え:0

死神の始末書

熱で寝込んでいた父が悲鳴をあげる。 「ひやぁ!」 弟が駆け寄り、敵に攻撃するものの、敵は瞬く間に逃げる。逃げて逃げて、止まらない。そして、そのうちに弟の足を。 高校二年生の大手芸能事務所に何回もスカウトされた男子が切羽詰った悲鳴をあげた。そして、床に倒れた。 「姉貴……後は頼んだ……」 という言葉を残して。 私は思った。 銃があれば良かったのに。射撃場で銃を撃った経験が蘇る。 弟の手から武器を奪う。 大丈夫。あの感覚の通りにやれば。きっと当たる。 狙いを定め、攻撃しようとした瞬間にターゲットが動いた。素早く物陰に隠れられる。 舌打ちをした時、図書館に行っていた母が戻ってきた。 母は私が手に持っているものを見て状況を察した。そして、私の手から瞬時にそれを奪い、敵が隠れた場所を聞くと、ひたすら待った。敵が出て来るのを。 待つこと十分。 敵が出てきた瞬間に、母は白い煙を発射した。 我々人類の敵は今、ここで息絶えた。 敵をビニール袋で何重にも包み、母は踏み潰した。そして、ぽつりと呟く。 「ゴキブリが多くって嫌ね」

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