アプリコット・フィズ
「はあ…疲れたー!!」 「それじゃ…飲み直しますか!」 「お、いいな!付き合え!!」 今日は会社のお得意様の接待があって、 先輩も私もクタクタ。 疲れた社会人にはやはりビール! と、いきたいところだけど… 流石に二軒回って三軒ハシゴは… 翌日に影響が出てしまう。 ということで、近くのバーに寄った。 「なんか…お洒落なところだな…」 「ふふ…行きつけなんですよー」 ふらふらして、 おぼつかない足取りで店内に入ると、店の雰囲気に先輩は圧倒されている。 まあ…私も初めはドキドキしたけど、今は慣れてしまった。 どのお酒がオススメなんだ? 小声でそう聞いてきた先輩に、胸が高鳴る。 距離がとても近いのだ。 こんな距離感は初めてで、 少しでも動くと先輩の唇が私の頬に触れてしまいそうで… お酒で酔っているせいなんだろうけど。 「…それなら、アプリコットフィズなんてどうです?」 「アプリコット…?何だそれ?」 「アプリコットフィズ、カクテルですよ。さっぱりして飲みやすいんです!」 私ばかりが緊張して… 少し悔しくて… 以前マスターに教えてもらったカクテルを頼んだ。 マスターは注文する私を見て、ウィンクした。 うん、ダンディなマスターはウィンク似合う。 だけど、その本心が分かるから嬉しくなった。 ねえ、先輩。 知らないでしょう… 私がこんなに貴方に恋い焦がれていることに。 気づいてないでしょう。 出来上がって、差し出されたカクテルを 美味しそうに飲む先輩を見つめながら、 私はマスターから教えられた言葉を思い出す。 『カクテル言葉?』 『そう、例えば…アプリコットフィズ。』 『どういう意味があるの?』 『振り向いてください』 この意味が伝わればいいのに。 先ほどと同じものをもう一杯! 元気にマスターに注文する先輩を恨めしく思う…そんな夜。
みんなの答え
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凄く上手ですね!!!!
文章書くの上手過ぎません!? 才能バッチリじゃないですか!! もう小説家目指しても… これからも応援してます! 面白かったです!!
切ない…
凄く切ない… 意味伝われ…!(伝わりそうにないけど) ロマンチックでいいなぁ カクテル言葉なんて初めて知った!! 尊敬する! これからも応援してます!! viaさんの他の作品も見て見ます!
凄い…!!
viaさん凄い… 同い年でこんな凄い引き込まれる文章書けるなんて。 「私」とかいていて、感情移入しやすかったです…! 大人の世界って感じ。 カクテル言葉のこと初めて知りました!! 凄く面白かったです! これからも応援してます! 出来れば…新作待ってます!!