沈む【短編小説】
海に入ろうと思った。 家から海水浴の用意を持ち出し海水浴場へと歩き出す。 陽射しが厳しく肌がじりじりと焼けて、やがて汗も出てきた。 雲一つない快晴が、少し憎く思えた。 海水浴場へ着くと、白い砂浜には人がちらほらおり、丁度良い混み具合であった。ざぶざぶと水の中へ入る。ひやっと冷たい感触。徐々に水着のズボンに海水が染み込む。するすると身体の隙間を水が縫う様に通りすぎる。 青く透き通る水の中を泳ぐ。 ただぷかぷか浮いている他の客は瞬く間に遠のいて小さくなった。沖の方まで来たらしい。腕と足を止め泳ぎを中断し、ふと水中を見た。青、青、青と底が見えない。途端恐怖心が沸いてくるがやけになってどぶんと潜ってみる。 自らの吐いた泡で一瞬見えなかったがすぐに視界が安定する。しかし案の定、何かがある訳でもなさそうである。顔を海面へ出そうかと案じた時。 黒いものが見えた気がした。 一旦海面へ顔を出し呼吸を整え再度潜るとそれが髪の毛であり、なんと人が 居るということがわかった。 相手は綺麗で中性的な顔をしており男か女か判別出来なかった。Yシャツにズボンを履いているため、溺れたものだと思い相手の腕に手を伸ばす。と、目の前の瞼が急に開かれた。びっくりしていると目の前の人物は、こんな沖へ来るのはいけないと泡を吐き出しながら言った。どういうことか解らなかった。その間にも二人は沈む。しかし私は戻らなかった。地上の光が差し込みにくくなって、私の口からは泡がまた出た。 いいのかい、私に連れていかれるかもしれないよ、最も、もう遅いかもしれないけれど。 そう言って相手は私の頬に手をかけた。光はもう薄く此処まで届きそうもない。けれど私の意識と目は相手にあった。水になびく黒髪。ガラス玉の様な栗色の眼球。それを細めて笑うので私も思わず笑う。最期の泡がごぼ、と口の隙間から漏れた。 ゆっくりと瞼を閉じた。 ーーーー 最近暑いので海行きたいですよね。 書いてて涼しくなりました。
みんなの答え
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良いね^^
久々に泳ぎたくなりました。 嘘です、泳げないので浮かんでいたいです。(なんやねん)