海の気持ち
いないなあ。楽しみにしてたのに、みんな、いない。 僕のところに来る人がいない。 毎年、楽しみだった。 僕の中に入って、笑って、楽しんで、ボールを投げあって、焼きそばという茶色い麺を食べて、かき氷というものを食べて、アイスなるものを食べる。そういう人間たちを見るのが楽しかった。 でも、今年は誰もいない。 僕の楽しみの一つが消えた。魚たちも不思議に思って僕に理由を聞いてくる。でも、僕はなにも知らない。そう答えると、魚たちは悲しそうに去っていく。 ねえ、何があったの? 寂しいよ。 人間さん。 いつもの笑顔を見せてよ。 笑い声を響かせてよ。 風に乗って聞こえて来る音色が聞こえないのは悲しいよ。 僕も仲間だよ?魚も仲間だよ。 僕も魚も人間たちに傷つけられて、汚されてるけど、人間たちはそれを直そうとしてるじゃないか。改善しようとしてるじゃないか。そこは人間たちの美点だよ。 少しくらい頼ってよ。 僕たちもなにか出来るかもしれない。案が出るかもしれない。 頼って欲しいよ。 人間たちを助けたいよ。