儚い明日へ。
『諦めないでください・・・』 頼りなげな、泣き出しそうな声。 俺のこめかみに、そっと彼女の唇が当たる。 ・・・まるで、息を吹き込むような仕草だと思った。 ここは戦場。俺達は兵士だ。 味方はほぼ射殺され、生存者は、俺と彼女ただ二人。 もう生き残る手立ては無いだろう。二人して物陰に身を隠しながら、諦めが自身を蝕んでいくのを感じていた。 『・・・もう、駄目だろう』 銃口を頭に当てて、目の前の彼女に問うた。 『殺されるくらいなら、俺は自死を選ぶ・・・お前は、どうする?』 バキ・・・ッ!! 瞬間、鈍い音と共に握っていた銃が吹っ飛んだ。 『馬鹿なこと言わないでください!』 彼女が、銃を弾き飛ばしたのだ。 『私は、まだ戦えます!死んだりしたら、みんなに顔向けできないじゃないですか!』 目の前が暗くなった。ふわり、と頭を包み込む、香りと体温。 『お願いです、・・・諦めないでください・・・』 そっと、こめかみに唇が当たる。 生温い涙が、ぽたぽたと俺の頬に落ちる。彼女の・・・命のぬくもりを感じた途端、力がみなぎるような気がした。 彼女の手を握り、立ち上がる。 生き残ろう。呟くように言えば、彼女は優しく笑って、はい!と敬礼ををしてみせた。 儚い明日へと。俺達は、力の限りに走り始める。
みんなの答え
辛口の答え
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なるほど
斬新なアイディアですごいと思いました! 一回、前に睡さんにコメントしたのですが覚えていますか? 前より引き込まれる内容でビックリしました! 戦場で2人きり…私には思い付かなかった!←私がバカなだけ
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