薄水色の恋心
「ねぇ、本当に私のこと好き?」 ポツポツと雨が降る学校の帰り道。 今は梅雨の時季だ。 私は勇気を振り絞り、遼に尋ねた。 遼は軽く微笑んで答える。 「もちろん。俺は葵の彼氏だろ?」 「…それはそうだけど。」 私、赤坂葵(あかさかあおい)。 中学三年生で、今一緒に帰っている彼氏、幼なじみの相田遼(あいだりょう)はニ年前から付き合っている。 そんな遼が、最近様子がおかしい。 私が話しかけてもどこか上の空。 前までは明るく振る舞ってくれたのに、どこか瞳に正気が宿っていない様な感じで。 それを不審に思った私は、事情を聞き出す為に何とか話をつけ、遼と帰っていたのだった。 「好きな人、出来たの…?」 「そういう訳じゃないんだ、葵…」 「良いんだよ、本当のことを教えてくれたらそれで良いんだから」 遼は首を振った。 「…言えない。ごめん…」 「好きな人が出来たのならその人と付き合いなよ…そんないつもと違う遼、見ていられない」 なんだか悲しくなってくる。 いつから遼は私との会話を偽る様になり、私はそんな遼を怪しみ、素直になれなくなってしまったのだろう。 「今日は変な話してごめん。 遼には、他に好きな人がいるんだよね。 私、先に帰るね。」 「待って、葵!」 なんで私は、素直になれないのだろう。 たとえ遼に好きな人がいても。 私には、遠回しに疑いの気持ちをこめた言葉しか伝えられない。 本当は好きなのに。 立ち尽くす遼を置いて私は帰宅した。 翌日。 遼は休みだった。 体調不良…らしい。 私とは、関係ないよね…。 今日、遼に素直に思いを伝えようと思っていたのに。 遼のいつもと違う様子で素直になれないだけの、いつかは消えてなくなってしまうかもしれない想い。 私からの遼への薄水色の様に淡い恋心。 『遼のことは大好き。 でも、好きな人を優先して良いよ』 そう伝えるつもりだった。 思っていたことを伝えられず、もやもやしていたが、明日言えばいい…そう自分に言い聞かせた。 「遼くんが亡くなったって」 は?嘘。 帰宅してからの母の第一声。 ありえない。 「何言ってるの?嘘つかないでよ。」 「本当よ…遼くん、病気だったんですって。でも、クラスの人やあなたに気を使わせたくなかったから、言わなかったみたい」 「え?なんで」 「遼くんのお母さんから、これ…葵に」 それは、薄水色の手紙だった。 部屋に入り、震える手でそれを開く。 ‘葵、今時こんな手紙で伝えるなんてちょっと変かもだけど、読んでほしい。 俺は、葵やクラスの奴らには病気のこと伝えてなかった。 特に葵には悲しむ顔をして欲しくなかったからな。本当のことを言うと葵、悲しむだろ?だから隠してた。 嘘ついててごめん。でも、俺は葵が好きだから。それだけ、分かって。 短いかもしれないけど、俺が言いたいのはそういうことだ。 とにかく、俺は、葵が好きだから、そこは分かって。 それじゃあ、またな。’ 「…何手紙なんて残してんの…本当のこと言ってよ…そうしたら疑うなんてしなかったのに」 手紙に涙が落ちる。 「馬鹿。悲しいに決まってんじゃん…。」 馬鹿なのは、変に思い込んだ私の方だ。 勝手に疑って、思い込んで先に帰って。 時間は巻き戻せないけど。 あの日々…遼がいた頃は取り戻せない。 でも、遼は他の人に心移りなんてしていなかった。 謝るかわりに私は今の純粋な気持ちを言う。 だから、伝われ。 遼に、届け。 「私も、遼のこと大好きだよ」 窓の外は私の気持ちと対照にカラッと晴れている。 私が空を見つめていると、どこからか 『俺もだよ』 と言う声が聞こえた気がした。 完 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー こんにちは、あおねこです! 長文で変になってしまったかもです… 最後まで読んでくださった方、ありがとうございます!! 感想頂けると幸いです(^^) では!
みんなの答え
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わーっ!
すごい!あおねこさん、いっぱい小説書いてますよね。 よませていただいています! 毎回すごいです。 文だけでも状況がよくわかりました。