短編小説みんなの答え:0

満天の星が見える、あの丘で。

3年前の7月6日。 私の世界から、“色”が消えた日。 その日は何時も通りの、何気無い一日だった。 夏仕様に変わったブレザーで、日焼けした肌を包んで、 教科書やらノートやらがパンパンに詰まった鞄を持って、 何時も通りの通学路、何時も通りの時間に、交差点を走り抜けて____ ああ、そう言えば、この交差点って少し、青信号が短いんだっけ…… 気がついた時には、目を開けても、“色”という概念が、 あんなに当たり前に、生まれた時からあったものが、私の世界からは消えていた。 確かに目はあるのに、それはまるで装飾品みたいに、 意味を求めても、返ってくるもは何も無くて。 目の前に広がるのは、“色”が消えた悲しい世界。 3年たった今でもこの世界は、“色”の無い、悲哀と羨望に溢れたもののままだった。 気分転換に行った旅行先の北海道。 長閑な自然の中で餌を頬張る動物たち。 この自然の中で、あの馬や鳥に色があれば綺麗なんだろうなって ふと思ったり。 あれ、そう言えば動物って、色が分からないものも居るんだったっけ。 「じゃあ、色があろうとなかろうと、意味ないんだ。」 自分で、それがどんなものなのか分からないんだから。 私はあの動物達と同じ? いいえ、違う。 私は最初、“色”を知っていた。 でも動物は、それを知らないまま一生を終えるでしょう? 一度知ってしまったから、失ったら、悲しくて、物足りなくて、“もう一度”と求める。 いつか紙に書いた寂しい自分の文字は、滲んで、混ざって、ぼやけて消えた。 その色も、哀しみの色さえ感じることが出来ない私。 いっそ、見えなければ楽だったかも、なんて悲観的なことを考えたり。 大好きだった夏の夜空、 家から少し離れた、小高い丘から見る満天の星が綺麗で、 大好きだったのに、 今、“色”を感じない今、星空が綺麗に見える自信、私には無い。 でも、 どうしてか分からないけど、満天の星を、あの丘で、また見てみたいって 何故か、そう感じて。 今日は7月6日。 あの日から3年。 23:45 私はまたあの丘で、 感じる訳が無いのに、色とりどりの星が輝く夜空はもう見えないのに、 どうしても、私はあの丘に来たくて、気がつけば、夜の中に一人佇んでいた。 23:55 星が輝く夜空を、厚い雲が覆う。 晴れる予感はしないし、晴れたところで私は何を、この空に期待しているんだろう。 23:59 ああ、もう日付が変わるんだ。 あと3秒、2秒、1秒____ 「う、そ…………」 日付が変わった刹那、重い雲の幾つかは、まるで魔法のようにすっと闇に溶けて、 月の光が、柔らかく夜を包んだ。 __色の無い七夕の空は、雲の隙間から何億もの星が顔を出していて、 色が無くても、そんな壁を感じさせないほど、 自然の力は強くって、 やっぱり、この星空は綺麗だった。 ━━━━━━━━━━━━━━━ 長い上に、とっても下手くそですね。笑 感想くれるよ!という優しい方、お願いします~(笑) 通りすがりの野鳥より。

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