【短編小説】人口1人だけの世界~私だけの世界~
「あ、この服無料か~!可愛い!買っちゃお~う!」 私は今日も無料の服を買う。 最近、私は自分が「地球」ではない違う世界にいる気がするの。 感覚的にも、眠っているような・・・ でも、自分の頬をつねっても目が覚めたりするわけではない。 最近、やけに通販で販売されている商品の無料化とか、 自動で食べ物が出てくるようなシステムが活発化されているような 気がするの。 普通こんなのおかしいでしょ~と思ったけれど、 最近は「ラッキー!」と軽い気持ちで楽しんでいる。 でも、この世界には私以外に人がいない。 もちろん、私以外に何もないわけじゃないよ。 ただ、店のレジ係とか私以外の人はみんな人工知能。 なんで不思議に思わないんだろー。 まあ良いか。取り敢えず、この無料の世界で贅沢を楽しもう! そんなことを考えていたとき、唐突に理解した。 私は死んでいる。 そうか、ここはこの世には存在しない世界なんだね。 あれ、ここ、どこ? そう言って、私はずっと「無料の世界」を彷徨い続けた。 どうやら、私は「自分」というものを失ってしまったようだ。 何もかもわからなくなっちゃったな~ 彷徨い続けるしかないね。 みんなは、自分を失わないように。