君はヒーローだ
君は俺のヒーローだ。そう言っても過言ではない。俺を奈落の底から救い出した、俺至上最高の、ヒーロー。でも、俺を奈落の底に落とした人物でもある。 君とはいいライバルだった。勉強もスポーツも、超ハイレベルな争いをしてきた。けど俺、君とは方向性が違うと思ってた。君は、どこまでも上を目指して進む。つまり縦移動。俺は、色々な経験をしたい。つまり横移動。勉強とスポーツだけじゃなくて、音楽や読書もしたかったんだ。俺がそう思ってるうちに、君はどんどん上に行く。俺、限界だった。もう君には追いつけないと悟った。そこだった、奈落に落ちたのは。 それまでは鮮やかな色だったとすると、一気にどす黒くなった。勉強もスポーツも全部放棄して、暗い曲ばかり作った。家中の本を読みあさった。張り合いはなかったけど、わりと楽しかった。今までできなかったことを思いっきりやるっていう楽しみを覚えた。君のことを憎んでいたかは・・・覚えてないや。 まさか俺を奈落の底につき落とした人物と中学まで一緒になるとは思ってなかった。せっかく同級生がほとんどいない所を選んだのに。 「俺、今までお前のこと何も分かってなかった。本当、ごめん」 入学式の後、君は言った。俺は、別に君のこと怒ってた訳じゃなかった。君を怒る気になれなかった。切磋琢磨しているうちに「ライバル」と書いて「親友」と呼べる仲になってたって、そこで初めて気付かされた。その時は言えなかったけど今なら言える。怒ってない。むしろごめん。いきなり試合放棄とかして。君は奈落の底でどす黒くなった俺を受け入れてくれた。 君は一度は俺を奈落につき落としたものの、最終的にはちゃんと引き上げてくれた。君は俺至上最高のヒーローなんだ。
みんなの答え
※きびしいコメントを見たくない人は
「見ない」をおすと表示されなくなるよ!
おお!
すごいです!表現が本当に凄くて…分かりやすかったです! これからもどんどん書いてください! 私のも見てくれると嬉しいです…。 こんな短い文章ですみません!