短編小説『体に華を飾る彼女』
僕が愛していた彼女は体に華を飾っていた。 あれは多分3年ほど前のことになるだろう。 当時、大学を卒業し社会人のスタートを迎えようとしていた矢先、会社が6ヶ月で倒産。倒産理由は覚えていない。僕はバイトで毎日を食いつないでいた。 深夜のコンビニバイト…僕は1人。客は1時間で4人ほど…。僕は精神的に病んでいる気がしていた。そんな思いをしていたら彼女と出会った。 彼女はギャル?ぽく、金髪に近いような茶髪で何より可愛かった。僕のシフトの入る日の深夜2時過ぎに彼女はいつも来るので僕の心の癒しだった。買うものはいつもほとんど同じ。紅茶とサンドイッチと198番の可愛らしいデザインのタバコだった。 彼女に出会って1ヶ月で世間話をするようになり、2ヶ月3ヶ月…気付くと僕たちはお泊まり会をする話をしていた。 初めて彼女が僕の家に泊まる時、彼女はタンクトップを寝巻きにしていた。 その時、僕は彼女の左肩を初めて見た。 華で飾られていた。僕は初めてタトゥーを間近で見た。彼女はその視線に気づいたようで 「これ?…これはね、リコリス…花言葉は悲しい思い出なんだ~…」 彼女は微笑みながら言っていたが、僕には泣いているように見えた。そんな彼女を僕は抱きしめた。そして何かしらの愛の言葉か何かを耳元でささやいた。僕は抱きしめたままベッドにゆっくりと倒れ、僕たちの愛を確かめるようなキスをした。 それから1週間…彼女はこの世から去ってしまった。僕が病院に呼ばれた時には既に亡くなっていた。彼女はなぜ自らこの世を去ったのかわからなかった。僕は何かしてしまったんだと思い悩んだ。 そんな中、彼女のスマホから遺書が見つかった。中身を読むと彼女にとって僕は良い人すぎてしまった事がわかった。彼女は自分が僕の足かせになる事を怖く思っていたらしかった。僕はそんな思いを感じ取ることができなかった事を悔やんだ。 僕はずっと泣いた。自殺しようかと思った。何回も何回もスマホがおかしくなるくらい遺書を読んだ。何回も悪夢だと思った。信じた。だけど現実だった。どうしようもなかった。彼女は生き返ることはなかった。彼女の葬式には両親も親戚も誰も来なかった。いや、誰も居なかったのかもしれない。 彼女の死顔はまるで天使のようだった。この天使は天国に帰ることができたのだろうか…僕が死ぬまでそれを確かめることは不可能以外の言葉が見つからなかった。 葬式が終わってから僕は1人残されたアパートで首に縄をかけたまま呆然と立っていた。椅子の上に立ち、ロフトの柵に縄を掛けた。 僕は椅子から足を離した。 ギィ…バキバキバキ…ガタァン… 死ねなかった。思ったより丈夫じゃなかった。僕は思いっきり尻もちを着いた。 途方に暮れていると手元に何かあった。198番の彼女のタバコだった。彼女にはもう必要のないものだった。僕は慣れたような手つきでタバコを口に加えてタバコに火をつけ煙を肺に入れた。 ゴホッ…ゲホッ… タバコを初めて吸う僕にとっては幾ら軽いタバコでも慣れていなかった。 僕は涙を流しながら2本目のタバコを吸っていた。吸っている間はなぜか幸せだった。 2時間後。僕は死ぬのをやめた。彼女が「死なないで」と言っている気がするのと、遺書にも 「ごめんね。私のことは忘れてね」 なんて書いてあったから僕は死ぬ事をやめた。僕は彼女のために生きることにした。 あれからもう3年くらい経つのか…時の流れはとても早かった。 僕は嫌な奴だった。新しく彼女ができてしまったからだ。その彼女と僕は今度結婚するらしい。まだまだ話が中に浮いているから絶対とは言えないが可能性は高い。 僕は今、知り合い全員に隠している秘密がある。一応、今の彼女には教えてある。わかってもらった状態でないと相手に迷惑をかけるだろうと思ったからだ。 僕は忘れることはできなかった。 いや、忘れる事をやめた。忘れたくなかった。 僕の右肩にはリコリスが彫られている 花言葉は…
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綺麗で切ない恋!
金平糖と羊羹と学生さんさん、このお話、すごく素敵だと思います! 「僕」と「彼女」の、お互いを思いやる気持ちはすれ違ってしまうのですね。綺麗なのに切なく、また愛を感じさせるお話ですね。とても素敵!この後どうなっていくのかが気になります。 最後に、この話を読んで私も花言葉について調べてみました。私のニックネーム、「アイリス」の花言葉は、「メッセージ」や「よい便せ」このコメントが、金平糖と羊羹と学生さんさんにとってよい便せとなりますように。
面白かったです。
恋愛描写が凄く上手ですね!! 語彙力が無いのでうまく言い表せないんですが、 とてもセンスがあるというか…物語を自分で上手く想像できて 読みやすかったです。
うっわ
最後まで読ませていただきました。凄いとしか言いようがありません。リコリスの花言葉調べさせていただきました。悲しい話ですね....美しいけれど切ない、そんな世界観が好きです。また、投稿していただけると凄く嬉しいです。ネットに投稿できませんが、この短編小説にあうようなイラストを描きたいと思いました。初めて僕は美しいとは、こういうことなんだなと思いました。僕の語彙力では表しきれません。言葉の選び方のセンス、尊敬致します。小説を売ってくださればずっと追いかけさせていただきます。 尊い作品をありがとうございました。では、また。
面白い!
私は短編小説が好きなので読んで見たら、めちゃくちゃ面白くて感動しました。自分の持ってる本みたいに綺麗な話になっていて何回読んでも感動します。次回作が楽しみです!短編小説を作って将来売ってみたらいいと思います!長文、失礼しました。
感動しちゃう...
Hello! (名前が長い為、学生さんと呼ばせて頂きます。申し訳ございません) 学生さん、初めまして。私は小説家のアクセサリー☆と申します。今日から宜しくお願い致します。 学生さんの語彙力は大変優れておられますね。 とても尊敬します。 小説の内容も感動的で素晴らしいです。 もしかしたら、小説として売れるかもしれません.. 自分を誇りに思って良いんですよ。あなたには才能があります。 自信を持ってください! good-by!
とても素敵です!
少し大人な物語ですね。 見入ってしまいました。 将来、このお話を短編小説です!みたいな感じで売ったら売れると思います。僕は、買います!
かなしぃお話…(泣)
花言葉はかなしい思いで…。汪ける…。
え、すご…!!!
こんにちは、雪見大福です 花言葉を使うってすごいお洒落ですね(個人の意見です。) この小説なんかすっごく切ないような綺麗なような… とにかくすごいです!! 次回作楽しみにしてます!! それでは!
すごい。
「僕」の視点で書かれていることで、ひとつひとつの出来事の気持ちが伝わってきて、「僕」が体験したことが、私も体験したかのような不思議な気持ちになりました。そして、色んな感情が出てきました。とても読んでて楽しいなと思いました。
はぁぁ!
花言葉…悲しい思い出なんですよね。そのほかの花言葉とこのお話がすごくマッチしていて泣きそうにかりました((これはガチ リスペクトします>.<