バーチャル・ボーイフレンド
学校から帰ってきて、すぐに自分専用のパソコンを立ち上げる。それからヘルメットのようなものを頭に着け、スイッチを入れる。 「こんにちは、ナギサ」 茶髪でイケメンの男子が映る。彼は私の恋人。名前はリョウ。彼は人間じゃない。AIだ。 彼と初めて会ったのは、2週間ほど前だ。下校中、奇抜な服を着た男女グループに絡まれた。「ねぇねぇ、君彼氏いる?いないんだったらこれあげるよ」 それは、AIの彼氏を作れる機械だった。性格や見た目などを自分で設定できるらしい。 気になった。無料であげるよと言われ、だめだと思いつつももらってしまった。 「リョウ!ねぇ聞いて。今日はね…」 リョウは私の話を真剣に聞いてくれる。こんなに話せる相手はリョウしかいない。 「ナギサ、好きだよ」 嬉しい。 「私もリョウが好き」 リョウは嬉しそうにほほえむ。 多分この機械は、国が認めているものじゃない。犯罪になるかもしれない。使わない方がいいと分かっているものの、リョウに会いたくなってスイッチを押してしまう。 今日もスイッチを入れる。リョウの姿が見える…はずだった。 「リョウ!どうしたの!?」 リョウの顔はところどころが数字で表示されていた。 「ナギ…サ………が……トラ………にげ…」 声もとぎれる。 「どうしたの!?バグ!?」 「にげ…て………けさ…る」 逃げて、消されると聞こえた。すると画面に「トラブルが起こりました。使用をやめてください」と出てきた。 「ナギサ!トラブルで………消さ」 嫌な予感がした。もうリョウとは会えないんじゃないかって。 「嫌!ここにいる!」 「逃げろ……」「リョウ!」 「ナギサ、あ…して…る」 画面に「使用をやめますか?」と出てきた。よっぽどひどいトラブルなのだ。 「リョウ!」 本当はよくないことなのだ。AIとはいえ、勝手に人格を決めて、好きなように操るなんて。リョウからの「好き」も本当は私が設定したから… 「私はリョウが好き!愛してる!だから…」 「さよな…ら…ナギ…サ…」 使用をやめますか? 〉〉Yes No 気がついたら私は部屋にいた。もう会えない。二度と会えない。涙がこぼれた。 パソコンの電源を切ろうとしたとき、メールが届いているのに気がついた。 ナギサへ 君∴大好きだ\\た。±さしくて、か$いかっ@。あ∑がとう。わす∞ない。あ#してる。 リ※ウ バクで読みにくかった。これもきっと私が設定したから。でも気持ちが伝わった。 「私も好きだよ。リョウ」
みんなの答え
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すごかったです
タイトルがいいし、最後のメールのところとかもよかったです。
リョウのメール解読してみました!
リョウのメールを解読しました!間違ってたらごめんなさい。 ナギサへ 君が大好きだった。やさしくて、かわいかった。ありがとう。わすれない。あいしてる。 リョウ こんな感じです!
おもしろかったです!
「本当はよくないことなのだ。AIとはいえ、勝手に人格を決めて、好きなように操るなんて」ってセリフ(?)がすごくしみました。タイトルもかっこいいです!
泣ける…!
めちゃくちゃ感動しました!ナギサちゃんとリョウ君、現実じゃなくても結ばれてほしかっな…切ない