短編小説みんなの答え:6

道化の死ゴト♪

「君は、大切なものを失う悲しみを、味わったことはあるかい?」 目の前のピエロは俺にむかって、確かにそう言ったんだ。 「は...?」 状況がつかめない俺に奴は続けて言った。 「君みたいな人間にはきっとないよね~?」 俺は椅子にロープで縛り付けられている。 真っ暗な部屋で、スポットライトがピエロを浮かびあがらせる。それは不気味以外の何者でも無かった。 「そんな怖い顔しないでよ~。ピエロは皆を楽しませるのが仕事なんだからさ。」 「どうでもいいから、解放しろ!ここはどこだ?!目的はなんだ?!お前は何者だ?!」 「そんな次から次へと質問されても答えきれないよ。一つずつ答えてあげる。  その一。ここはどこか? それは言えない。でも、誰もたどり着けない場所ってことだけは確かだ。   その二。目的は何か? さっきも言ったでしょ?君に大切なものを失う悲しみを味合わせること。   その三。僕が何者か? う~ん...。しいて言うなら、愉快なピエロだよ。」 「ふざけるな!」 「僕は至って真面目だけど?それじゃあ、ショーを始めよう。」 そういって、ピエロはパチンと指をならす。 すると、ブゥ..ンという音と共に空中にモニターが現われた。といっても何か種があるんだろう。 それらのモニターにはそれぞれ、俺の彼女、机に詰まれた金、俺の家、が映っていた。 「さあ、どれから壊してやろうかな~?」 「どういうことだ!」 俺の質問に答えることなく、ピエロは決~めた、と薄気味悪く笑って彼女が映っている画面に向いた。 「この子、君の隣のクラスの白木さんでしょ?学校一の美少女って言われてる。」 そのとおりだった。彼女は学校一の美少女。だから彼女にしたのだ。俺のステータスの一部にする為に。 「この子も、君の彼女に選ばれるなんて運が悪いよね~。利用されてるなんて知らずにさ~。」 そして、指で鉄砲を作ると、子供がやるように、画面に向かって「バン!」と言った。 同時に、画面の中のはずの彼女が倒れる。 意味がわからず、フリーズしている俺に、高笑いしながらピエロが言った。 「君のせいで、彼女は...」 「死んだのか?!」  「さあね。自分で確かめてよ。ここから無事出られたらの話だけど。でも、どうせ、自分の道具程度にしか見てなかったんだろう?別に大切でもない。」 「ぐっ..。」  悔しいが、図星だ。 「さあ、次だ。」 そういうと、ピエロは懐からスイッチを出してきた。 「3...2...1...」  にんまり笑うと、(仮面に隠れているが、笑ったんだろう。) 「ドカーン!」 といかにも楽しそうに叫んだ。 画面の中の「金」が、爆発した。 またも呆然としていると、 「君のお金だよ?ショック?」  とピエロが訊いて来た。が、俺が答える前に 「ま、大してショックでも無いか。だってあれ、脅して取った金だもんね~。」 どうしてピエロがそんなことを知っているんだ、と思っていると、 「君のことなら結構知っているつもりだよ。君がいかに最低な奴かってこともね。」 俺は何も言えずに黙ってしまう。 奴は、「いよいよ大詰めかな?」といって、部屋の隅から大きなハンマーを持ち出してきた。 大きく振りかぶると、画面の家に向かって思い切り振り下ろす。 俺の家はガラガラと(音は聞こえないが)崩れていった。 「君の家を壊してやった。どんな気分かな~?」 もう、どうやったのかなんて、微塵も興味が無かった。 そうか、こいつは俺の、人気も、富も、居場所も、何もかも奪ったのか。 ...いいだろう。何としてもここから逃げてやる。 「これで終わりと思った?」 やる気に満ちてきた俺に、機械のような冷たい声が響いた。 ピエロがパチン、と再び指を鳴らせば、画面が現れる。映ったのは... 椅子に縛り付けられている俺だった。 ピエロは何かを構えるポーズをとると、ヒュッと俺に向かって投げた。 顔の横を何かがかすめた気がした。そうか。俺はナイフ投げの的ってわけか。 「もう諦めるしかないんだよ。そろそろ、自分の立場を理解した?大切なものが消えていく悲しみも。あ、恐怖の方が勝っちゃうかな?」 冷や汗を流し、必死に助けを請う(こう)が、ピエロは迷いなく手を上げる。 後ろに引いて、紙飛行機をとばすような軽やかさで、「投げた」。 仮面の下で、ピエロはどんな顔をしていただろうか。俺にそれを知るすべは無い。 俺の悲鳴は、闇へ、消えた。

みんなの答え

辛口の答え

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すごい!

こわいの書けるのってすごい!風けいそうぞうしちゃった!


すごっ!

憧れます!こういうのかける人!


え、すごくね!?

マジでこれすごくね!?ほんとマジで憧れちゃう!!こんな短編小説 を作ってくれてサンキュー!!!!!!


とても面白いです!

状況がとても分かりやすいです! 素敵な作品を作って下さりありがとうございます!


わお!

ハァイ!オリビアです! こわーい!書き方がお上手ですね。さすがです!


すごい!!

わあ!? やっぱり大切な物が奪われるって辛い!! 文の書き方が凄いですね!! 尊敬です!! とても読みやすいし!!みんなにも見てほしい!!


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