短編小説みんなの答え:1

幼馴染

「好きです!付き合ってください!」 高校の校舎裏で告白した私の想いは彼の真顔に受け止められた。 私の幼馴染の竹彦(たけひこ)が滅多に見せない真顔だった。 しばらくの沈黙の後、竹彦は 「ちょっと、時間くれない?」 と言った。 しょげそうになった気持ちを急いで立て直す。 諦めるにはまだ早い。 こくりと私は頷いた。 「……と、言うわけなんだよね。世津(せつ)のことは好きなんだけど」 僕は友人の博樹(ひろき)にこれまでの経緯を話した。 博樹は不思議そうな顔をする。 「じゃあなんで付き合わない?家庭の事情でもあるのか? 「まさか。家同士仲も良い。だけど、障害があるんだよ」 「障害?」 話しても良いのかな?これ。僕のプライバシーに関わる問題なんだけど。 博樹の怪訝そうな目からは逃げられそうもないし、世津にとっても悪い。それに、僕にとっても良い機会だ。 僕は口を開いた。 「僕は中学の時、全てのことに精通しようとしてた」 「確かにそうだった」 「博識になれたよ。だけどね、楽しくなかったし、夢中になれるものが一つもなかった。 だから、自分が興味があるものだけほどほどにやることにした。 なのに、世津だ。 僕は世津のこと好きだ。間違いなく一緒にいたい。 だけど、そこそここだわる僕が世津だけは別ってしていいのかな?それっていい加減な気持ちで世津の気持ちに応えていいのかな?ダメだ。それはダメだ。世津をいい加減に扱っていることになる」 一呼吸おいて、一気に言った。 「世津はそれを知らない。世津は僕が返事を出すのを待ってる。僕は早く答えを出さないといけないのに、結論が出ないんだ」 博樹が言った。 「答えるならすぐに答えろ。夏を制するものは受験を制する。浪人するぞ」 「せめて高二の時に告白されてたらよかったんだけどね。高三だからってことで告白したかもしれないけど」 「会う頻度が減ったり、ここを出て市外、県外に行ったりするかもしれないからな」 ぺらぺらと喋っているうちに、僕の家に着いた。 博樹が軽く手を振って僕の家を通り過ぎようとする。その後ろ姿に僕は言った。 「……ありがとう。博樹に話したおかげで気持ちが整理出来た」 博樹はこちらを振り向かずに右手を振った。 家に入り、玄関の鍵を閉める。 手洗い、うがいをやって自分の部屋に行く。 学ランのポケットから携帯電話を出して、世津の番号にかけた。 世津はそれほど待たせずに、出た。 「もしもし」 「もしもし、竹彦?」 「うん。俺は……」 携帯を左手に持ち替え、 「世津のこと、好きだよ」

みんなの答え

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上手!

最後に「好きだよ」で終わらせているのがグッときました。好きだけれど、付き合うとは言ってない。どっちなんだろう?って思いました。でも多分フるんだろうなー。


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