湖畔街道ー不老不死ー
この山奥にある湖、「永良湖」は満月の夜、ちょうど月が湖の上にある時に見ると不老不死になるんだとか。そんな昔話が伝えられている。 俺は今この湖に来ている。何故かと言うと「不老不死」の力が欲しいからだ。一生生きていたいからだ。 今日は満月の前の夜。湖畔に座り込み美しい永良湖の絵を描いていた。 すると「なにを描いてるんですか?」と少女が絵を覗き込んできた。「ああ。この湖を描いてるんだよ」「そうなんですか。じゃあ、お兄さん!この呪いの話知ってますか?」「呪い?不老不死のことか?」「はい!そうです!不老不死の伝説の事を皆さん、「いい事」だと思ってらっしゃる方が多いですが、あれは「悪い事」ですよ。呪いと言っても過言ではないです!」「いやぁ俺はその力の為にこの湖に来たんだよ。一生死なないって「いい事」じゃないのか?」 「違います!!私も経験してるんで、分かるんです。呪いのようなものですよ、、、」 ?いまこの子経験してるって、、、「お前、今「経験してる」って、、、どう言う事なんだ。今「不老不死」の状態なのか?」 すると少女は 「はい。私は昭和13年にこの街で生まれ育ちました。この力の事を知って興味本心で、、、湖に近づき力を手に入れました。もう、どうしたって死なないんです。周りのみんなだけ死んでいく。友達だって親だって、、、これは呪いです!あなたにはそんなって欲しくない!今すぐこの街から出てってください。」 少女に背中を押され、無理やり帰らされる。「ちょっと待ってくれ、じゃあ俺も力を手に入れて、、、君と一緒にいる!、、、それでどうだ。」少女の力が弱まり「え?そんな事してくれなくていいです。余計なお世話ですので。」「本当はそうがいいんだろ?寂しいんだろう?もう夜も遅いから君の暮らしている場所につれてってくれないか?」 「今晩だけですよ。仕方ないですね。」 「湖畔街道」と示された道をゆっくり進む。森の暗がりから抜けた時少女はここです。と古さ錆びた廃工場のような場所に連れってくれた。 「ここは廃工場か?」「はい。そうです。昭和24年に廃工場と化してます。」 少女とは色々な話をした。昔の話、今の都会の話。少女は街に出た事が無いんだとか。少女には俺が持ってきたコンビニのお弁当をあげた。 「美味しそうに食べるなぁ。こっちも笑顔になるよ。」「美味しいです。ありがとうございます!」礼儀正しい少女だなとしみじみ思った。 次の日「帰ってください。一晩だけだと言いました。」「そうだな。ありがとう泊めてくれて。不老不死だったとしても強く、強くあるんだ。 また来るよ。それで寂しく無いだろ?」そう言って手を振る。 そして時々都会のカフェ窓辺の席で「あの子の名前、聞いてなかったな。また会いに行こう。」 そう考えるのだった。